
▲The New York Times – 2007年7月23日の記事より▲
62年前の今日、1945年8月6日午前8時15分17秒、Little Boy(リトル・ボーイ)というなんともかわいらしい名前の付いた悪魔が広島市に降り立ち、そして一瞬にして多数の犠牲者を出しました。
Little Boyとは第二次世界大戦時にアメリカ軍によって広島市に投下された、ウラン型原子爆弾のコードネームのことです。実戦で使用された世界初の核兵器としてその名前が記録されています。そのかわいらしい名前とは裏腹にLittle Boy投下によってもたらされた死傷者の数は、1度の攻撃で生み出されたものとして、21世紀に入った2007年現在でも歴史上に於いてもっともひどいものといえるのではないでしょうか。
私自身は肉親を含め、身近なところに被爆経験者はいません。しかしそれでもなお私の心には、広島市への、そして長崎市への原爆投下という事実は深くこころに悲しみとして刻まれています。
起こってしまった歴史的事実は変えられないことは知っています。しかしその歴史を教訓として、同じ過ちを繰り返さないようにすることが出来ることも幸いにして知っています。戦争を知らない私が、一年で何度か戦争について深く考える日が今日です。
さて最近気になる記事を新聞で読みました。正確にはインターネットに掲載されている記事ですが。それが冒頭の画像で利用させてもらった記事です。
2007年7月23日付のアメリカの新聞The New York Timesが報じたものです。紙面では一面を飾ったようですね。タイトルは「Bomb by Bomb, Japan Sheds Military Restraints(爆弾、爆弾また爆弾。日本は軍事力抑圧から脱する。)」となっています。※記事を読むには登録(無料)が必要です。またリンク先が変わっている場合は「Japan」をキーワードにして検索してみてください。※
記事は今年6月にグアム島のアンダーセン空軍基地を中心に行なわれた、日米空軍による共同軍事訓練について取り上げています。数日間にわたる軍事訓練の最終日には、日本の航空自衛隊は戦闘機に実弾を積んでグアム島から150マイル(約240km)離れた小さな島まで飛行し、そこに爆弾を落として帰って来るという訓練が行なわれたようです。The New York Timesではこれについて、北朝鮮を想定しての訓練であろうというように捉えています。
「専守防衛」を基本的な軍事戦略として持つ日本にとっては、この訓練はいささかその範囲を逸脱しているように思えます。戦略攻勢を禁止(ではないかも)している以上、今回の訓練のように遠く離れた地へ赴き、攻撃して帰って来るという作戦はあまり考えられません。従来そのような訓練は「攻撃的」であるという解釈から敬遠されてきたようです。
しかしこの記事の中に登場する日本の関係者の話を読む限り、その考えが変わりつつあるのかというように読めました。
もちろん防衛のために、空対地の爆撃も必要なことがあるのかもしれません。しかし基本的に戦略攻勢が認められていない以上、自衛隊の軍事的行動範囲は日本の領土か領海に限られるはずです。戦闘機同志が戦うことがあっても、戦闘機が飛んでいってどこか地上に爆弾を落とすということはあまり考えられない作戦だと思います。もしそれが行なわれるなら、そのどこかの地上は先ほどの理由から日本の領土であると思われるからです。そんなことをすれば日本国民にも被害が出るのは自明です。
しかしながら今、日本の航空自衛隊は米国空軍と共同で空対地の爆撃訓練を行なっています。この記事の記者が捉えたように、他の国の人間がこの訓練の内容を見れば、日本が現在どの国を意識してこの訓練を行なっているかは容易に想像がつくと思われます。
北朝鮮のミサイル訓練などはもちろん私も脅威に感じました。なんていうことをしているのだろうかと。しかし日本も同じようなことをしていたのですね。今回の地対空の実弾投下訓練が初めてかどうかは分りません。しかし今回が初めてではないとすると、北朝鮮のミサイル訓練は日本の訓練に対しての威嚇行動だったかもしれません。そうすると北朝鮮の軍事力が脅威なのと同様、日本の軍事力も近隣諸国にとってはかなり脅威に映っていると思われます。
私が日本にいるときは見逃してしまったのか、このような訓練が行なわれているとは知ることが出来ませんでした。そしてこのような訓練がすすめられているのと同時に、憲法改正案が頻繁に取りざたされています。
安倍首相は現在の日本国憲法を改正する意志を持っておられます。それにはもちろん第9条の改正も含まれています。私は安倍内閣の閣僚の問題云々や、年金の問題云々より、安倍首相の改憲に対する考え方に対してより強い不安を感じてきました。それがこの記事を読んでますますそう感じるようになりました。
軍事的なタブーを破りつつある現在の自衛隊と憲法改正の話題。密接に結びついていると思うのです。自衛隊の今回の訓練が、防衛のためにとってどれだけ重要な訓練なのか私の知識では分りません。また日本国憲法の改正が、特に第9条の改正が日本国民にとってどれだけの恩恵をもたらすのかも今の私ではまだ分りません。勉強不足ですね。ただ、日本が今再び間違った道へ進み出そうとしているのではという不安はあります。
安倍首相の言う「美しい日本」が決して私が不安に思う方向のものではないことを、今は注意深く見守る必要があると考えています。広島や長崎に限らず、戦争で犠牲者が増えるのはもうまっぴらです。それに日本が荷担することがもうあってはなりません。
そんなことを考えた8月6日でした。
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