みゅんすたーものがたり

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▲Roman de Münster (Münster Roman)▲

今回Skulptur Projekte Münster(ミュンスター彫刻プロジェクト)を訪問して、一番最初に見に行った作品が写真のRoman de Münster (Münster Roman)です。Münsterの中でもこの辺りが私にとって一番地理的に把握している場所であるということと、この作品が「Skulptur Projekte Münsterの中にあるSkulptur Projekte Münster」というべき作品であることからです。

場所はMünsterのAaseeと呼ばれる湖の近くで、Münsterの旧市街地をぐるっと取り囲む城壁跡に作られたPromenadeと呼ばれる自転車道のすぐ外にあります。詳しくは一番下に掲載したGoogleマップを参照してください。

制作者はDominique Gonzalez-Foerster(ドミニク・ゴンザレス=フェルステル)。1965年、フランスはStrasbourg(ストラスブール)で生まれた芸術家です。

彼女が今回Skulptur Projekte Münsterで製作したこの作品は、写真のような広場に展示されています。これまでSkulptur Projekte Münsterに出品されてきた作品の中から一部を選択し、それを4分の1のスケールで制作して設置しています。

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▲Roman de Münster (Münster Roman)▲

展示されているのは例えば上掲の写真に見えるようなJorge Pardo(ホルへ・パルド)のPier(1997年)、Ilya Kabakov(イリヤ・カバコフ)の”Blickst du hinauf und liest die Worte…”(1997年)、Donald Judd(ドナルド・ジャッド)のOhne Titel(1977年)やRichard Long(リチャード・ロング)のStone Cairn(1977年)といった作品の縮小レプリカです。

これらの作品群の中にはGonzalez-Foersterのオリジナル作品は含まれていません。

私自身は彼女の作品を直に見るのはこれで2回目でしょうか。記憶にあるのは2001年に横浜で行なわれた第1回横浜トリエンナーレに出品されていた作品です。その後も彼女の作品を何度か紙面で目にすることがありましたが、何れも映像を中心とした作品だったような気がします。

従って今回の作品も恐らく映像を中心とした作品になるのではないかなと思っていましたが、その予想は見事に外れました。

Gonzalez-Foersterはこの湖畔にある天然の窪地の芝生広場を、円形の屋外劇場に見立てます。そしてその劇場で演じられるのは「Roman de Münster (Münster Roman)」。つまりMünsterの物語です。

ここに彼女が縮小レプリカとして設置してある作品は、これまでの異なる時代のSkulptur Projekte Münsterに出品された、異なる場所に設置されたものです。ここで隣同士に並べられている作品は、本来ならば10年、20年という期間を経なければ見ることが出来なかったもの、そして距離を移動しなければ見られなかったものです。しかしここでは本来ならばあるべき時間も距離も関係なくなっています。まるで物語の中のように。

Gonzalez-Foersterが問いただしているのは、Skulptur Projekte MünsterによるMünsterの変化。それが本当に起こっているのかどうか。そして起こっているとしたらどのようなものなのか。それを今一度見つめ直したいと思っているようです。

彼女の作品はどちらかというと新しいイメージを作り出すものというよりは、イメージを再構築して提示するという印象があります。今回の作品は映像こそ利用されていませんでしたが、そういった面で彼女の作品らしい特徴は出ていると思います。

入れ子状になっている、作品のコンセプチュアルな部分も面白いと思いました。ただそういったコンセプチュアルな面を除いたとしても、作品の一望性や大きさの親しみやすさの面からいって、人気のあるスポットになっていました。子供達がミニチュア作品で遊び回っている姿が、印象的な風景として記憶に残っています。


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▲Senke am Kanonengraben, aegidiitor▲
▲Google マップより▲

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