なーんだ

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▲www.lestollberg.deより▲

土曜日の仕事後、職場のみんなで食事に出かけるのが、最近定番になりつつあります。オーナーが誘ってくれるのです。みんなでといっても、小さな職場なので、大体オーナーを入れて5人前後のグループになります。

お店を選んでくれるのは、大体オーナーなのですが、自分では知らなかったような所に行けるので、毎週の楽しみになっています。

先週末の土曜日は、München(ミュンヘン)中心部にある、フランス料理の店、Le Stollbergに行ってきました。最寄り駅はS-Bahn のIsartor(イザール・トーア駅)になります。

特に人通りの多い場所にあるわけでもないこのお店は、知らなければ来ることはないでしょう。この近所にでも住んでいなければ、偶然通りかかる場所ではありません。

こぢんまりとしたお店は、30人も入れば満席になってしまう程度の広さしかありません。しかし、このお店、土曜日の夜はいつも予約で満席らしいのです。オーナーは3週間も前に予約を入れて、ようやく席が確保できたとのこと。人気のあるお店らしいです。

お店では冒頭の写真のような牡蠣を食べたり、ワインを飲んだりと、「ここはドイツですよね?」、などとつい確認してしまうほど、美味しい料理に舌鼓を打つことが出来ました。美味しい料理に加えて、おしゃべりも弾み、時間が経つのを忘れるぐらい楽しい時間を過ごすことが出来ました。「このメンバーで働くことが出来てよかったな。」と思える時間でした。

さて、この予約を取ることが難しいお店に到着したとき、店の奥に長テーブルが用意されていたのがすぐに目につきました。そしてそのテーブルの横に私たちの予約席がありました。

長テーブルは短辺が1m、長辺が6mぐらいあり、全部で15人ぐらいは座れそうなものでした。机の上にはきれいにキャンドルが設置されており、一方の短辺からもう一方の短辺を結ぶように、赤い花の花びらが散らされていました。

「きれいにセッティングされてあるな。パーティーでもあるのかな?」

などと思いながら自分たちの予約した座席に座りました。

私たちが座席に座ってしばらくすると、1組のカップルが入ってきました。どうやらそのカップルは、その長テーブルの座席を予約している人たちのようです。お店の人に案内されて、その座席に向ってきました。

お店の人はそのカップルの人をその席まで案内すると、「男性の方はこちらに、女性の方はこちらに座ってください。」と案内をしました。

その案内は耳で聞いているだけでは、特におかしいとは思わない内容のものですが、私のすぐ側の席に男性が座ったので、私はついそちらの方向を見てしまい、「んっ?」と思ったのです。

というのも、そのカップルが案内された席は、男性が一方の短辺、女性がもう一方の短辺でしたから。二人の間には、必然的に大きな距離が出来てしまいます。そう、良くテレビ・ドラマとかで、すごいお金持ちの人が食事を取るときに、長いテーブルの端と端に座って食事を取る様子が描写されたりしますが、その状態にまさにそのカップルはなったのです。

机の上に用意されているのは、二人分のスプーンやフォークなど。どうやらこのカップルは、この長テーブルを二人で占有するみたいです。

同僚もそのことに気がついていたらしく、「すごいお金持ちかな。でもちょっと変だね。」などと話しかけてきました。

あまり見るのも失礼にあたるので、食事の方に私は集中しようとしましたが、やっぱり気になります。たまにちらちら目をやってしまいました。

二人は、時たま大きな声で会話する以外は、注文した飲み物を飲みながら、時たま見つめ合い微笑む位でした。

同僚は私に、「お金持ちかな。こんな事、お金持ちじゃないとしないよね。でもどんな意味があるのかな。」などと聞いてきます。確かにお金持ちじゃないと、こんな席の予約の仕方はしないでしょう。でも、この店に来ている人の雰囲気からすると、こんなことの出来るお金持ちであっても不思議ではありません。

「うん、きっとお金持ちなんでしょうね。何かの記念日なのじゃないですかね。」と私は同僚に応えました。

30分かもっと経った頃でしょうか、お店に沢山の人が一斉に入ってきました。そして、その人達は店の奥のその長テーブルに向います。みんな楽しそうに笑っています。

「君たちは何でそんなに離れて座ってるんだ?」

ある男の人がしてやったりの顔つきで二人に聞いています。

ははぁん、なるほど。わかりました。友人達が二人を招待したのですが、いたずらをして、二人が離れて座ることになるように、お店の人に頼んだみたいなのです。そしてその様子を外からながめて楽しんでいたようです。

聞こえてくる話では、最初に来た二人のカップルは、結婚したか、結婚するかのどちらかで、そのお祝いの席として、その席が設けられたようなのです。

その後、そのカップルと仲間達は、楽しそう時間を過ごしていました。

何かとお堅いイメージのあるドイツ人ですが、こういうウィットに富んだ演出も出来るのだなと、すこしイメージが変わりました。こういった素敵な仲間を持った二人の今後は、きっと楽しいものであるだろうなと、ほほえましく思いながら、店を後にしたのでした。


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▲Le Stollberg▲
▲Google マップより▲

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