すとらいきてんごく

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▲Deutsche Bahn AG▲
▲wikipedia.orgより▲

昨日の夜から、奥さんが私の家に引っ越してきました。とは言っても、一緒に暮らし始めたわけではありません。今回の滞在は、あくまでも一時的なもので、永続的なものではありません。

Deutsche Bahn(ドイツ鉄道)の労組の1つである、Gewerkschaft Deutscher Lokomotivführer(GDL/ドイツ機関士労働組合)が、今日2008年3月10日から、無期限ストライキを行なうと先週から予告していました。結果的に回避されたわけですが、奥さんはそのストライキの影響を避けるために、我が家に引っ越してきていたのです。

奥さん住むところを通る最寄りの交通機関は、S-Bahnと呼ばれる都市近郊列車です。このS-Bahnは、ドイツの各主要都市と、その近辺の都市を結ぶ交通機関です。大きな都市には、それぞれS-Bahnを運営している会社があります。例えばMünchen(ミュンヘン)ならS-Bahn Münchenという会社が、Münchenとその近郊都市を結ぶS-Bahnを運行しています。

この各都市にあるS-Bahnの運行会社ですが、Deutsche Bahnの子会社となっています。そしてS-Bahnの機関士は、GDLに加盟している人が多いようです。したがって、GDLがストライキを起こすということは、Deutsche Bahnだけでなく、S-Bahnもストップしてしまうことを意味します。

奥さんは、このところ、平日は毎日午前中、とある学校に通っています。しかしながらS-Bahnがストップしてしまうと、奥さんは移動の手段が途絶えます。正確にはストライキになったとしても、大抵は1時間に一本の割合で運行することが多いようです。しかし、そのような運行に生活を合わせるのは、1日や2日ならまだしも、無期限といわれてしまうと厳しいです。したがって、S-Bahnの代替交通機関の選択肢が多い、私のところに引っ越してきたというわけです。

先ほども記しましたが、結局は回避されてしまったため、奥さんの取った行動は無駄になってしまいました。大きな荷物を提げて来たので、気の毒ですね。

しかしながら、Deutsche BahnとGDLの交渉は、まだ続いていたのですね。今年初めの報道で、11%の賃上げと、一時金の支払いなどで合意に至ったということを耳にしていたため、すっかり終わってしまったものだとばかり思っていました。

実際には、両者は上記のような条件で合意には至ったものの、GDL以外のDeutsche Bahnの労組との兼ね合いから、Deutsche Bahn側が契約書にサインをしてなかったようなのです。GDL以外の労組とは、5%程度の賃上げで合意に至った手前、その倍以上の条件でGDLと契約を交わすというのは、新たな火種になりかねませんからね。

今回、GDLによるストライキが行なわれなかったということは、契約書にサインがされたということなのでしょうか。そうならば、ストライキによる余計なストレスから、ようやく解放されます。

ストライキといえば、現在ドイツはストライキの花盛り。先週のMünchenでは、ゴミの回収を行なう人々がストライキを行なっていました。また、ドイツ全土で、空港職員のストライキが行なわれ、多くの国内便が欠航したのも先週のことです。

そのようななかでも、最近新聞でよく目にするのは、ドイツの首都、Berlin(ベルリン)で行なわれているストライキです。

Berlinでは、先週の3月5日から、BVGによるストライキが行なわれています。BVGとはBerliner Verkehrsbetriebeという会社のことで、Berlin市内を走るU-Bahn(地下鉄)、Straßenbahn(路面電車)、Bus(バス)を運行している会社です。

Berlin市内の公共交通機関は、Deutsche Bahn、S-BahnとBVGが運行するものが主です。したがって、BVGがストライキを起こすと、市内の交通網の大部分がストップしてしまうわけです。しかも、BVGが握っている交通網は、市内の細かいところを結ぶ路線ばかりです。それゆえに、市民の生活に最も大きな打撃を与えるのが、BVGのストライキだと言えます。

このストライキ、BVGによると、少なくとも3月14日まで続くとのこと。東京や大阪で地下鉄やバスが10日間も停まると想像してみて下さい。事の重大さがよくお分かりいただけると思います。戦後最大級のストライキとのことです。

本来なら、このBVGのストライキに、GDLのストライキが加わる予定だったBerlin。もしGDLのストライキが予定通り行なわれていたならば、Berlinの交通機能は、ほぼ完全にストップしていたことになります。そうすれば、どのような影響があったのか、もう想像がつきません。

日本では労使交渉の手段として、ストライキはあまり効果的なものでないと思われているため、予告だけ行なって直前で回避、というのがよくあるパターンのように思いますが、ドイツでは、実際に行なわれるのですね。国民性の違いでしょうか。ストライキに対する許容度も、日本より緩いように思います。

GDLのストライキは回避されましたが、奥さんはしばらく私の家に留まるようです。大きな荷物を抱えてわざわざやってきたのですから、1日で帰るのも、なにかもったいないのでしょう。そのうち始まるであろう共同生活の、予行演習になりますね。

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