ごたいめん

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▲ホテルグランヴィア岡山▲
▲www.granvia-oka.co.jpより▲

日本への一時帰国が2週間後に迫った1月の下旬、奥さんのお父様から1通のメールが私たちの元に届きました。内容は、奥さんと私、そしてそれぞれの両親による顔合わせの場所に関するものでした。

今回の一時帰国における一番の目的は、この顔合わせでした。したがってそれをどこかでセッティングしなければならないというのは分っていました。ただ、奥さんやご両親が、お父様のご実家がある岡山県に来ることが分っていたので、そこからそう離れていない「私の実家で顔合わせかな。」、とぐらいに思っていました。

それがメールを読んでみると、顔合わせの場所はJR岡山駅前にあるホテルグランヴィア岡山が指定されています。そこで、「懐石料理を食べながら、顔合わせしましょう。」と、プランではなく、決定事項が記されていました。私だけでなく、奥さんも驚いていました。

私は先ほど記したように、顔合わせは実家で、ぐらいに思っていました。そして奥さんの方も、顔合わせは焼鳥屋で、ぐらいに思っていました。したがって、2人とも顔合わせが、岡山では高級なホテルの、日本料理店で行なわれることになるとは、夢にも思っていませんでした。

インターネットで、顔合わせが行なわれる日本料理店について調べてみると、それなりに高級そうです。顔合わせにピッタリな感じの、和室の個室なども紹介されています。「うぉー、大丈夫かな。」と、すこし心配になってきます。

しかし、決まってしまったことは仕方ありません。そもそも、一時帰国2週間前になっても、顔合わせを始めとする、一時帰国中の予定を立てていない私たちが悪いのですから。

後日、職場で結婚している日本人の同僚に、両家の顔合わせの事について聞いてみました。どのような感じで行なわれたのか、知りたかったからです。しかし、3組に聞いて3組とも「ホテルでの顔合わせなんて事はやってない。」との返事でした。1組はそもそも国際結婚ですので、「顔合わせ」という概念が片方にはないとのこと。もう2組は日本人同士の結婚ですが、こちらもそのように形式的なものは無かったとのことでした。

考えてみたら、この3組は、在独歴が30年前後の人たちばかりです。今ほど海外旅行が手軽ではなかった時代に海外で生活を始めるような人たちですから、一般的な日本人という型には収まりきらない方達だと言えるでしょう。したがって、こういったいかにも日本っぽい儀式に関して、知識や経験に乏しいのも致し方ありません。

逆に、「もう、紋付き袴とか着ていかなければならないんじゃない。」みたいな事を言われたりします。そして「どんな感じで顔合わせが行なわれるのか教えてね。」などとも言われました。

私の周りで結婚している人たちは、職場の人しか知らないので、これ以上、顔合わせについて情報を得られるところがありません。したがって、もう「なるようになるか。」と開き直ることにしました。

顔合わせは一時帰国3日目に行なわれました。場所は、先ほどしるした、ホテルグランヴィア岡山にある日本料理店の「吉備膳」というところです。

以前のエントリーに記しましたが、奥さんとそのご両親は、お父様の実家に滞在されていましたので、そこからホテルにやってこられました。私は私の実家から両親と共にホテルにやってきました。

ホテルのロビーで待ち合せです。私たちの家族の方が先に到着したので、そこで奥さんとそのご両親を待つことに。すると10分後ぐらいにやってこられました。

私はもう既に奥さんのご両親とは顔を合わせていましたので、それぞれをそれぞれに簡単に紹介します。お互いがお互いのことを気に入ってくれるか、少し心配でした。しかし、どのような感触なのかはこの時点ではまだ分りません。

ところが、何のためだったか忘れましたが、私がその後に少しだけ席を外してまた戻ってくるときに、奥さんのご両親と私の両親が、割と和気藹々と話をしている様子が見えたのです。私は、「まだ双方とも手探りな状態だし、潤滑油となるべき私が席を外したのはまずかったかな。」と思っていたのですが、余計な心配だったようです。それをみて、ホッとしました。

さて11:30にお店を予約していた私たちは、お店に移動します。しかし、お店に到着したのは11:30の開店時刻より5分ほど前でした。5分なので店の前で待とうとしていると、お店から人が出て来て、店内に招き入れてくれます。このあたりは、日本ならではのサービスだなと思いました。

店内に入った私たちは、「梅の間」という座敷に通されます。インターネットで見た部屋でした。高級な雰囲気がし、やや緊張します。

部屋に入ると、どちらが上座に座るかという、いかにも日本らしいやりとりを、双方の両親がやっていました。これは、私が口をはさむことではないので、「懐かしい光景だな。」などと思いつつ、見学していることに。結局は、私の家族の方が、上座に座ることになったようです。

席に座ると、注文なのですが、料理は予約の時点で注文していたので、飲み物だけをオーダーします。その飲み物が配膳され、それでは乾杯に、と移る前に、私の父が「一言挨拶を。」ということになりました。父は今回の結婚について、奥さんの両親に承諾いただいたお礼を述べていました。少し、場がピリリと締まります。

私などは、「父がいつの間に、そのような挨拶なんて考えてたんやろ。」などと驚いてしまいました。後で母に聞いてみると、顔合わせが決まってから、一所懸命考えていたようです。

乾杯の後、やや緊張した空気が流れていましたが、料理が運ばれてきて、それを口にしていると、その場も和んできます。「これは何ですかね。おいしいですね。」などといった会話をしていると、双方の緊張も解けてきました。

話をしていると、奥さんのお父様と、私の父が、以前仕事で同じプロジェクトに参加していたことが分ったり、奥さんのお母様と、私の母の趣味が似ていたりと、思わぬところに共通点が見つかり、それをきっかけに話が一気に広がります。それと、同時に場もどんどんと和やかになっていきます。奥さんや私が潤滑油にならなくとも、双方で自然に会話が進んでいきます。これまたホッとしました。

顔合わせで気がついたことなのですが、私の両親は結構話が好きなのだと思いました。父は家では割と寡黙なイメージがあったのですが、顔合わせの場では積極的に話をしていたように思います。また母は、一つの話題を膨らませすぎて脱線しつつも、よく話していましたね。

そうやって私の両親が話してくれたおかげで、また奥さんのご両親もそれに飽きずに丁寧に対応してくださったおかげで、終始、その場は和やかな雰囲気のまま顔合わせを終えることが出来ました。気がつけば、3時間が経過し、お店がお昼休みに入る時間でした。時間が経つのも忘れるくらい、色々な話をしていたと言うことですね。

その後は、場所を変え、ロビーのカフェでお茶をしました。その頃には、すっかり双方もなじんでおり、私も特に気を遣うことはありませんでした。ここでは初めて両家で揃っての記念写真を撮りました。記念写真といってもスナップ写真ではありましたが、私には大切な写真となりました。

「お互いの両親が上手くやっていけるかな。」等と、顔合わせ前には心配が色々ありましたが、結局はいらぬ心配だったようです。そこそこ共通の話題もありそうですしね。

ということで、この一時帰国の一番の目的であり、私としては一番の心配事であった顔合わせが無事に終わったのでした。後は心配事もないので、つかの間の日本滞在を楽しむだけとなったのです。


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▲Google マップより▲

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