たかばたけかしょうたいしょうろまんかんめーるまがじんだいじゅうはちかい

愛媛県東温市にある、高畠華宵大正ロマン館より、メール・マガジンの最新号である第18号が到着しました。

高畠華宵大正ロマン館メール・マガジンでは、前号の第17号、前々号の第16号と、2008年3月9日に、大正イマジュリィ学会第5回全国大会の2日目のイベントとして、京都で行なわれた、高畠華宵の生誕120周年にちなんだ講演会とシンポジウムを大々的に宣伝してきました。

最終的に、講演会およびシンポジウムの当日は、多くの方が来聴され、成功のうちに幕を閉じたそうです。今回の第18号では、そのうちの講演会の様子が紹介されています。

その講演会では、竹宮惠子氏(マンガ家/京都精華大学マンガ学部教授)を講演者に迎え、高畠華宵大正ロマン館館長である高畠澄江氏が聞き手となり行なわれました。

竹宮さんご自身が少女よりも美少年のほうにシンクロできるということをおっしゃっていました。

竹宮氏と言えば、萩尾望都氏と共に24年組と呼ばれ、少女漫画界を開拓し、リードしてきたうちのひとりです。1979年には第25回小学館漫画賞を『地球へ…』『風と木の詩』の両作品で同時受賞されました。

この小学館漫画賞、前年の1978年の第24回では、古谷三敏氏の『ダメおやじ』が、翌年1980年の第26回では、はるき悦巳氏の『じゃりン子チエ』、高橋留美子氏の『うる星やつら』が賞を受賞しているように、漫画界においてはそうそうたるメンバーが、そうそうたる作品で受賞しています。いずれの作品も、その時代において、とくに影響の大きかった作品が受賞している感じです。そういった中において、同年に2作品同時受賞という快挙を達成された、竹宮氏とその作品の当時の影響が、よくうかがい知れます。

ふたつの受賞作のうち、『地球へ…』では本格的なSFやファンタジーを少女漫画に導入したことが、功績の一つに挙げられているようです。また『風と木の詩』では、少年を主人公とし、その少年が繰り広げる同性愛をテーマにして、その後の少女漫画界でのボーイズラブという分野を確立したことが功績としてあげられています。

数々の美少年を描き続けた高畠華宵と、少女漫画の分野にて美少年を前面に押し出した作品を描き始めた竹宮氏には、なんらかの共通点がありそうですね。

竹宮氏は講演で、

華宵は男でも女でもないところを美しいと思っている

述べられたそうですが、竹宮氏自身はどう思っておられるのでしょうか。

これ以外にも、若干講演の報告がありました。それを読む限りでは、竹宮氏自身にたいする自分の考え、華宵の作品に関する竹宮氏の考え、というのはそれぞれ分ったのですが、竹宮氏が具体的に華宵と繋がる部分があるのかないのか、それがいまいち伝わって来ませんでした。

竹宮惠子さんの世界の基底には、大正ロマンが息づいているようです。

というように、この講演報告はまとめられているのですが、私としては、その大正ロマンと竹宮氏の、具体的な結びつきが知りたかったというのが正直なところでしょうか。

もちろんメール・マガジンでの講演会の報告は、スペースが限られていますし、本格的な報告の場でもないので、かなり内容が省略されているものだと思います。講演会録などは、そのうち出るでしょうから、そちらに期待したいと思います。

このメール・マガジン、第18号では、先号で予告のあった、華宵の「こども絵」についての展覧会に関して、詳細な案内が掲載されています。

今回の展覧会では、華宵が描いた珍しい「こども絵」の数々を展示して、その特徴や世界観を紹介すると共に、大正時代の児童雑誌『金の船』を徹底解剖します。

『金の船』(1922年6月号より『金の星』へと改題。創刊当時は「金の船社」より、1923年以降は「金の星社」発行。1929年に第11巻7号をもって終刊。)という雑誌は、1918年7月1日に鈴木三重吉が創刊した『赤い鳥』という児童雑誌に端を発した、「赤い鳥運動」のなかで、1919年11月に斎藤佐次郎が創刊した児童雑誌とのこと。華宵はその『金の船』に、1922年から1923年にかけて、「こども絵」というものを描いたようです。

私は恥ずかしながら不勉強で知らなかったのですが、

華宵が描いた「こども絵」としてこれまでも何度か展覧会等で取り上げられているのは、戦後の講談社絵本シリーズ(『小公女』『しあわせの王子』『星の子』『雪の女王』『ヘンゼルとグレーテル』など)で、大正ロマン館には極彩色の原画が残されています。

とのこと。華宵は児童書の分野にも進出していたみたいです。特に『金の船』において、

表紙・口絵・挿絵などを描き、時には一冊すべてが華宵の作品で埋め尽くされたこともありました。

ということらしいです。華宵の力のいれ具合がよく伝わってきます。

私は、この華宵の「こども絵」を見たことがないので、どのようなものか想像が付かないのですが、案内によると、

華宵が描いた「こども」たちは、愛くるしさや無邪気さだけではなく、時に幼児特有の不気味さや不可思議さを感じさせるものもあります。

といったもののようです。気になりますね。

この展覧会、「高畠華宵生誕120年 華宵のこども絵展〜ファンタジー世界のこどもたち〜」というタイトルのもと、2008年4月5日〜6月31日の間、高畠華宵大正ロマン館にて開催されるようです。

私も興味はありますが、こういうのは奥さんのほうが興味がありそうです。帰国したら、情報を伝えてみたいと思います。

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