
▲Paulaner am Nockherberg▲
Auer Dult(春・夏・秋と、München(ミュンヘン)で年3回開催される市)を訪れた帰りは、天気もすっかり良くなっていたので、自宅までの道程を、散歩も兼ねて歩いて帰ることにしました。
散歩の途中に立ち寄ったのは、Paulaner am Nockherberg(パウラナー・アム・ノックヘアベアク)というところ。Paulaner am Nockherbergとは、Paulanerという、Münchenにあるビール会社直営のレストランのことです。Auer Dultが行なわれている、Mariahilfplatzからは、徒歩5分ぐらいです。従って、散歩の出だしに、いきなりここに立ち寄ったことになります。
立ち寄った理由は、もちろんビールを飲むこと。Paulaner am NockherbergにはBiergarten(ビア・ガーデン)があるのです。

▲Paulaner am Nockherberg▲
このPaulanerの起源は、1634年にまで遡ることが出来ます。Münchenの中心地、Neuhauser Straßeに定住していたPaulanerorden(パウラナー修道会)の修道士達が、Fastenzeit(四旬節)の期間中に栄養を取るため、高カロリーのビールを製造し始めたとのこと。そこで作られたビールを、修道会の祝いの期間中、売り出してみると、一気にその名が広まりました。
Fastenzeitの時期、食事の節制が求められるものの、液体の摂取は例外であるというところに目をつけ、ビールを飲んで栄養を摂取していたというのはよく耳にする話です。特に、一般人より、厳格にその教えを守る必要のあった修道士などは。Paulanerordenの修道士達も、その例外ではないようですね。
その後もPaulanerordenの修道士達によって行なわれたビールの醸造ですが、1799年にSäkularisation(教会財産没収)によって、終わりを迎えます。しかしながら、1813年にFranz Xaver Zacherlが醸造所を引継、このビールをSalvatorという名で売出します。なお、現在でもこのビールは販売されています。
Paulanerが Nockherbergに移ってきたのは、1861年のことでした。当時はSalvatorkellerという会社名でしたが、1928年には、Gebrüder Thomas Bierbrauerei in Münchenと合併して、Paulaner Salvator Thomas Bräuと名前を変えます。その後、1994年にはPaulaner Brauerei AGと名前を変えますが、1999年にPaulaner GmbH und Co. KGと再び名前を変え、現在に至ります。
Paulanerは現在では、世界最大のビールの祭典である、Oktoerfest(オクトーバー・フェスト)用にビールを生産することを許されている醸造所のひとつです。
ちなみにMünchenに住んでいると、人々がビールのことを「flüssiges Brot(液体のパン)」と呼ぶのを耳にすることがあります。その呼び名は、上記のようなことに由来するのではと思います。特に、Münchenも属するBayern(バイエルン州)で多く生産されている、Weißbierの主原料は小麦ですから、ますます「flüssiges Brot」の側面が強まるのでしょう。
また、ドイツ語ではあらゆる単語は、女性名詞、男性名詞、中性名詞に振り分けられることが出来ますが、アルコール飲料はほぼ全て男性名詞です。der Wein(ワイン)、der Sake(日本酒)といった感じで。しかしながら、ビールの場合はdas Bierと、中性名詞になっています。このことからも、「ビールはアルコール飲料じゃないんだ!」と、朝っぱらからビールを飲んでいる人がいいわけに使ったりします。

▲Paulaner am Nockherberg▲
さて、Biergartenの方ですが、行った曜日のせいなのか、行った時間帯のせいなのかは分りませんが、写真のようにガラガラでした。しかしながら、そのおかげで、のんびり、静かにビールを楽しむことが出来ました。
ちなみに、Paulaner am Nockherbergにある建物は、2003年に新たに建てられたものらしいです。何でも、1999年の火災で、以前の建物は焼失してしまったとのこと。11月27日から28日の2日間に渡って燃え続けた大火だったらしく、89台の消防車で、消火にあたったとの記録がありました。被害額は15,000,000Euroにのぼったとのことです。残念ですね。
Paulaner am Nockherbergの近くには、Auer Mühlbachという小川が流れていて、散歩するには良い場所であります。また、散歩がてら、Paulaner am Nockherbergを訪れてみたいと思います。
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▲Paulaner am Nockherberg▲
▲Google マップより▲
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