はいんりひ・たんはうざーのもだん・ぎゃらりー

image00490.jpg
▲Heinrich Thannhauser▲
▲Copyright (C) Zentralarchiv des Internationalen Kunsthandels, Köln▲

Jüdisches Museum München(ユダヤ博物館ミュンヘン)に、展覧会を見に行ってきました。今回、訪れたのは、常設展示の方ではなく、特別展示の方です。

その展覧会名は、「Die “Moderne Galerie” von Heinrich Thannhauser(ハインリヒ・タンハウザーの”モダン・ギャラリー”)」(会期:2008年1月30日〜2008年5月25日)。その名の通り、Heinrich Thannhauser (1859–1935) がMünchen(ミュンヘン)に構えていた、Moderne Galerieについての展覧会です。

Augsburg(アウグスブルク)から、西へ50kmほどのところにあったHürben(現在のKrumbachの一部)に住む、ユダヤ人家庭に生まれたThannhauserは、1869年に家族と共にMünchenへと移り住みます。父Jonasは、織物を扱う商人でした。

Thannhauserも後に、父と同じような商人になります。最初は婦人用のプレタポルテを、その後は照明を扱っていました。

そのThannhauserが、最初にギャラリーを持ったのは、1905年のことです。しかしながらそのギャラリーは、ハンガリー人のFranz Josef Braklとの共同経営でした。

このギャラリーで行なわれた展覧会のうち、最大の功績だとされているのは、1908年に行なわれた、Vincent van Gogh(フィンセント・ファン・ゴッホ)の回顧展です。Vincent van Goghの回顧展としては、ドイツで初めて行なわれ、Der Blaue Reiter(青騎手/青騎士)の芸術家達に、大きな影響を与えたといわれています。

Thannhauserが、自分だけのギャラリーを持ったのは、1909年11月のことでした。そのギャラリーは、Die Moderne Galerie(モダン・ギャラリー)と名付けられます。Wassily Kandinskyは、このDie Moderne Galerieを評して、「恐らくMünchen中で最も素晴らしい展覧会スペース」と述べたということです。

Die Moderne Galerieでは、フランス印象派展、ポスト印象派展、イタリア未来派展といった展覧会が次々と開催されます。とりわけ、当時の美術の紹介には熱心でした。

例えば、1910年にはPaul Gauguin(ポール・ゴーギャン)の展覧会を行ないます。そして、この展覧会を皮切りに、幾度もGauguinの展覧会を行なったThannhauserは、Gauguinの作品を扱う、ドイツ国内で最も重要なギャラリストとなります。

また1909年12月1日から5日にかけては、Neue Künstlervereinigung München(新芸術家協会ミュンヘン)の第1回展覧会、1910年9月1日から14日にかけては第2回展覧会、そして1911年12月18日から1912年1月1日にかけては、Neue Künstlervereinigung Münchenの最後にして、第3回目の展覧会が行なわれます。

そのThannhauserのDie Moderne Galerieが行なった展覧会で、現在最も有名なものは、Der Blaue Reiterのものではないでしょうか。

Neue Künstlervereinigung Münchenのメンバーであった、KandinskyやFranz Marc(フランツ・マルク)などは、方向性の違いを理由に、Neue Künstlervereinigung Münchenを脱会します。そして、新しくDer Blaue Reiterという芸術家集団を結成するのですが、その第1回展覧会は、ThannhauserのDie Moderne Galerieで行なわれます。しかも、Neue Künstlervereinigung Münchenの第3回展覧会と、全く同じ期間に隣り合う形で。Thannhauserも、なかなか粋なことをします。

その他にも、1913年にはPablo Picasso(パブロ・ピカソ)の回顧展を、世界で最初に行なうなど、歴史に残るような展覧会を何度も開催したのが、ThannhauserのDie Moderne Galerieでした。

そのようなDie Moderne Galerieで取り扱われた作品が、今回のJüdisches Museum Münchenで行なわれている展覧会では見ることが可能です。そして、展示されていた何れの作品も、現在にまで名の残るような作品ばかりです。それは、Thannhauserが、いかに優れたギャラリストであったかということの、証明のようでした。Thannhauserがもしいなければ、私の好きな画家である、KandinskyやMarcも、現在の評価がまた違ってきていたかもしれません。

なお、このThannhauserのDie Moderne Galerieは、その後、戦争による状況の悪化(人々の芸術に対する好みの変化や、ユダヤ人に対する感情の悪化)などのいくつかの理由のために、Münchenを離れ、世代交代も挟みつつ、Berlin(ベルリン)やNew York(ニューヨーク)などに移って行きます。しかしながら、その辺りのことは、今回の展覧会では、それほど詳しくは紹介されていませんでした。

Jüdisches Museum München
Address St.-Jakobs-Platz 16
80331 München
Phone +49-89-233-96096
Fax +49-89-233-989-96096
URI http://www.juedisches-museum.muenchen.de/
E-Mail juedisches.museum@muenchen.de
Museum hours Tuesday – Sunday : 10:00 am – 6:00 pm


大きな地図で見る
▲Jüdisches Museum München▲
▲Google マップより▲

Similar Posts:

Comments are closed.