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▲Wassily Kandinsky, Woodcut for the almanac »Der Blaue Reiter«(1911)▲
▲Woodcut, 281mm x 222mm▲
▲Städtischen Galerie im Lenbachhaus▲
▲Munich, Germany▲

München(ミュンヘン)にある美術館、Städtische Galerie im Lenbachhaus(ミュンヘン市立ギャラリー・レンバッハ・ハウス)にて、「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」(2008年10月25日〜2009年2月22日)という展覧会が、現在開催中です。この展覧会では、Kandinskyによる木版画、リトグラフ、エッチングやドライポイントといった、いわゆる版画作品が、ずらりと並んでいます。

この「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」という展覧会、現在Kunstbau(クンストバウ)にて行われ、話題となっている展覧会、「WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010」(2008年10月25日〜2009年2月22日)よりも、おもしろいと感じているのは、私だけでしょうか。

「WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010」は、以前のエントリーでも記したように、MünchenのStädtische Galerie im Lenbachhaus、Paris(パリ)のCentre national d’art et de culture Georges-Pompidou(ジョルジュ・ポンピドゥ国立美術文化センター)、New York(ニューヨーク)のSolomon R. Guggenheim Museum(ソロモン・ロバート・グッゲンハイム美術館)という、Wassily Kandinsky(ワシリー・カンディンスキー)の世界3大コレクションが、初めて合同で行う、Kandinskyの展覧会です。この展覧会、野球で例えるならば、アメリカ合衆国MLB(メジャーリーグベースボール)と、日本のNPB(日本野球機構)と、キューバのナショナル・チームから、選りすぐりの選手たちだけで構成した、ドリーム・チームを作るようなものでしょうか。Kandinsyファンなら、垂涎の展覧会であるのは間違いありません。私は、この展覧会の企画を聞いて以来、「展覧会が終わるまでは、是が非でも、Münchenに留まろう。」、と強く決心したぐらいです。

しかしながら、この展覧会の一番の売りが、「Kandinskyの3大コレクションが、一堂に会する。」というものである以上、厳しくいうならば、それ以上の目新しさはないように、私には思えました。3大コレクションを、それぞれ訪れたことがある人なら、この展覧会の出品作品は、見たことのある作品が、ほとんどではないでしょうか。

さて、そのような「WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010」と同時に、隣の建物である、Städtische Galerie im Lenbachhausで行われている、「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」ですが、私は、それを見た瞬間に、「すごい!」と思いました。なぜならば、そこに出品されている作品は、Kaindinskyのほぼ完全な、版画作品のコレクションだからです。

私は先ほどから、Städtische Galerie im Lenbachhaus、Centre national d’art et de culture Georges-Pompidou、そしてSolomon R. Guggenheim Museumが、Kandinskyの3大コレクションと記しています。しかしながら、それは油彩や水彩の分野での話です。版画の分野でいうならば、Städtische Galerie im Lenbachhausのひとり勝ちと言って良いでしょう。Städtische Galerie im Lenbachhausは、Kandinskyによる版画作品を、ほぼ完全にコレクションしているのですから。これは、Centre national d’art et de culture Georges-Pompidouも、Solomon R. Guggenheim Museumも、そしてその他の世界中の美術館も、これまで、まだ成し遂げていないことなのです。

Städtische Galerie im Lenbachhausによる、Kandinskyの版画作品の収集は、元をたどれば、油彩画や水彩画、スケッチなどと同じく、1957年2月19日に行き着きます。Gabriele Münter(ガブリエーレ・ミュンター)は、自身の80歳の誕生日に、所持していたほぼ全てのKandinsky作品を、Städtische Galerie im Lenbachhausに寄贈しました。その中に含まれていた、Kandinskyの版画作品が、今回、「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」に出品されている作品の、核となっているものです。

Münterの寄贈による、膨大な数におよぶ、そのKandinskyの版画作品は、1966年、Städtische Galerie im Lenbachhausで行われた、Kandinskyの生誕100周年の展覧会で、初めて全てがまとめて公開されます。しかしながら、Münterの所持していた、大量のKandinskyの版画作品も、Kandinskyの全ての版画作品を網羅するには、いたっていませんでした。それを、Städtische Galerie im Lenbachhausの、当時の館長であったHans Konrad Roethelが、苦心をして45作品をかき集め、そこに付け加えたことにより、現在のコレクションとなったわけです。

このコレクションに欠けている、Kandinskyの版画作品は、全作品中の、わずかに5点のみです。その5点中、3点を今回は借り出して展示してあるので、「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」で見られない、Kandinskyの版画作品は、わずかに2点のみということになります。ある作家の、ある分野の完全なコレクションを、すべて見るということなどは、通常、カタログ・レゾネでぐらいしかかなわないもの。それを、実作品で行ってしまったというところが、この展覧会のすごいところです。

「WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010」の企画も、展覧会も、何度も申し上げますが、これまでになかったことなので、とてもすごいことです。しかしながら、2010年以降も、これら出品作品は、お金さえ出せば、それぞれのコレクションを訪れることで、見ることは可能です。けれども、「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」に出品された作品は、Städtische Galerie im Lenbachhausが企画してくれない限り、今後も見ることは難しいでしょう。前回から、40年近く経って、今回の展覧会ですから、次回のその時、私は生きているかどうか。

ということで、もし、「WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010」と計画を立てている人があるならば、「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」にも行くことを私は強くお勧めします。「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」の会場で、作品を見ていると、「ここは、『WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010』の会場じゃないのですね。どこに行けば、それを見られるのでしょうか。」と、監視員に場所を聞き、展覧会も見ずに、Kunstbauの方へ移動してしまわれる方を、結構見かけるのです。しかし、そのたびに私は、「あーあ、もったいない。こんな機会、今後ないかもしれないのに。」と思ってしまいます。

「KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK」の会期は、「WASSILY KANDINSKY – ABSOLUTE. ABSTRACT. RETROSPECTIVE 2008/2010」と同じく、2009年2月22日までです。夜は22時まで開いていますので、仕事帰りにでも、余裕を持ってみることが出来ます。興味がありましたら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

KANDINSKY – DAS DRUCKGRAFISCHE WERK
Städtische Galerie im Lenbachhaus
Address Luisenstraße 33
80333 München
Phone +49-89-233-32-00-0
Fax +49-89-233-32-00-3/4
URI http://www.lenbachhaus.de/
E-Mail lenbachhaus@muenchen.de
Museum Hours Tuesday – Sunday : 10:00 a.m. – 10:00 p.m.
Museum Admission Regular : €12
Reduced : €6
Family ticket : €18


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▲Städtische Galerie im Lenbachhaus▲
▲Google マップより▲

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