ようつう

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最近、というより、ここ3週間ほど、腰の調子が良くありません。いわゆる腰痛です。私はかつて、腰の骨を折ったこと(成長時の過度な運動による疲労骨折)があり、それ以来、腰の調子があまり良くありません。雨が降っていたり、寒かったりすると、時折、その箇所が痛むのです。ということで、現在のような冬場は、腰が痛むことは良くあります。従って、今回の腰痛も、最初は、いつものそれだと思っていました。

しかし、今回は、いつもと少し様子が違うように思います。なぜなら、腰の痛みがなかなか引かないのです。いつもなら、痛んでも、数日で収まるのですが、今回は先に記したように、随分と長引いています。特に今回は、座っていると、その痛みがひどくなるのです。逆に立っていると、痛みが和らぎます。こういう経験は、かつてなかったことでした。

私も、もう若くはないので、身体の色々なところへ、ガタが出てきてもおかしくはありません。腰痛といっても、外科的な要因だけで起こるのではなく、内科的な疾患によってもまた、腰痛は起こるということを聞いたことがあります。痛みも、いつものものとは違うことがあり、もしかしたら、別の箇所に問題があるのかもしれません。それで、心配になり、今回は、医師の診断を受けることにしました。

とはいっても、私、ドイツ生活は4年目を迎えますが、幸か不幸か、ドイツで医者にかかるのは、今回が初めての経験です(歯科医は経験有り)。したがって、どのようにしたら、医者にかかれるのかということすら、私はほとんど知りません。「ドイツでは、病気かなと思ったら、“病院”には行かず、まずはHausarzt(ホーム・ドクター)へ行く。その際には、予約(Termin)が必要。」ということが、私の知っていた唯一の知識です。

この知識については、ドイツ語を習ったときに、日本とドイツの医療システムの違いとして勉強しました。「ドイツで病気になったときに、“病院”へは行かない。」というのは、日本人にとって、少し変に思われるでしょう。また、「じゃあ、病気の際は、いったいどこへいくのか。」ということになると思います。私も最初、このことを聞いたときには、そう思いました。しかし、それについては、説明を聞いたら、すぐに納得出来ることでした。

ドイツ語の辞書で、「病院」という単語を調べると、KrankenhausとかKlinikといった単語に出くわすでしょう。これを使って、「私は病院へ行きます。」という意味である、「Ich gehe zum Krankenhaus.」というドイツ語文を作ることが出来ます。しかし、これをそのままドイツ人に伝えると、日本人が考えるものとは、少し違った意味に、受け取られることがあると習いました。

例えば、私たち日本人は、病気になると、“病院”へ行きますが、そのときの「病院へ行く。」の意味は、たいていの場合、「ちょっと診察してもらいに」といった感じではないでしょうか。しかしながら、そのつもりで、「Ich gehe zum Krankenhaus.」などと言うと、ドイツ人にとっては、「あなたの病気は、そんなにひどいものなの?大丈夫?」といった、大げさな感じに、受け取られかねないということを教わります。

というのも、ドイツ語で“病院”を意味する単語が示す施設である、KrankenhausやKlinik(大抵は大学病院/Universitätsklinikumのこと)という場所には、本来は、大規模な検査を必要とするときや、入院加療を必要とする病気の際にしか、行かないらしいのです。したがって、「Ich gehe zum Krankenhaus.」という言葉の言外には、「病気の程度がひどい。」とか「入院します。」ぐらいのニュアンスがあるとのこと。

ということで、私たちが風邪などで、「“病院”へ行きます。」という程度の場合は、ドイツ語では「“病院”へ行く。」ではなく、「“医者”(Arzt)へ行く。(Ich gehe zum Arzt.)」と言う、とのように語学学校では習いました。

そして、その場合の“医者”というのは、たいていの場合、Hausarztということだそうです。したがって、「ドイツでは、病気かなと思ったら、“病院”にはいかずに、まずはHausarztへいく。」となります。なんだか、少々ややこしいのですが。

と、ここまでが、私が、ドイツの医者に関して知っている知識の、ほぼ全てでした。

しかし、病気の際に、まずHausarztへと行くのは良いとしても、「じゃあ、実際のところ、Hausarztっていったい何?」ということになります。Haus(家)arzt(医者)という、この言葉の響き的には、日本語でいうところの、「かかりつけ医」みたいなものだとは思いました。しかし、私の場合、今度が初診になるのに、「かかりつけ医へ行く。」というのは、なんだか違和感があります。それで、「もしかして、ドイツでは、Hausarztに行く際には、そこをHausarztにしている誰かの紹介が必要で、いわゆる『一見さんお断り』なのかも。」という考えが浮かんできたのです。

ということで、ドイツ語版Wikipediaの、「Hausarzt」の項目を読んでみることにします。。

Ein Hausarzt ist ein niedergelassener (freiberuflicher) oder ein in einem Medizinischen Versorgungszentrum angestellter Arzt, der für den Patienten meist die erste Anlaufstelle bei medizinischen Problemen ist.

Hausarztとは、開業(自由業)医、あるいは、医療サービスセンター内の勤務医のことで、患者にとっては、医学的な問題がある場合に、大抵はまず最初に駆け込むところ(窓口)です。(※筆者による適当な和訳※)

HausarztWikipediaより

Er ist im Regelfall mit dem Apotheker die erste medizinische „Anlaufstelle“, die man bei Gesundheitsproblemen oder -fragen aufsucht.

Hausarztとは、通常の場合、薬局とともに、最初の医療的な相談窓口となるもので、そこで、健康に関する問題を診てもらったり、質問をしたりします。(※筆者による適当な和訳※)

HausarztWikipediaより

Wichtig für Hausarzt und Patient ist ein Vertrauensverhältnis, weshalb man auch vom Familienarzt spricht. Im Idealfall kennt der Arzt von früheren Gelegenheiten im Wesentlichen die Lebens- bzw. Krankengeschichte, während er sie bei neuen Patienten erst in längerem Gespräch erheben muss (Anamnese). Durch eine gewisse Kenntnis der persönlichen Situation und das Vertrauen der Patienten können Hausärzte oft auch bei psychischen Problemen oder Konflikten besser helfen als mancher Spezialist.

Hausarztと患者にとって、重要なことは、信頼関係です。それ故に、Familienarzt(家族医者)とも口にします。理想的には、Hausarztは、早い段階から、基本的に、その患者の生活や病気の経歴を知っていることですが、一方で、初めての患者の場合は、それらのことについて、長い時間をかけて話し合うことで、情報を得なければなりません。個人的な状況について得られた知識や、患者からの信頼を通じて、Hausarztは、精神的な問題や衝突があった際にも、他のどの専門医よりも、より患者の力になることが出来ます。(※筆者による適当な和訳※)

HausarztWikipediaより

いずれも、私の適当なドイツ語解釈によるものなので、理解に間違いがあるかも知れませんが、これらよると、少なくとも、「一見さんお断り」ではなさそうです(Wikipediaを完全に信用するならば)。「初めての患者の場合」云々という記述も、そこには見受けられますし。

これで、だいたい、Hausarztのイメージはつかめました。しかし、では、どのような科の医者が、Hausarztなのかが気になります。Hausarztとは外科なのか内科なのか、それとも、日本には存在しないような種類の科の医者のことなのか、私のような、腰痛を持っている患者も、Hausarztに行くものなのかどうか、などといったことがまだわかりません。

これも、WikipediaのHausarztの項目を読み進めると、書いてありました。ドイツでHausarztと呼ばれるのは、「Fachärzte für Allgemeinmedizin(一般医学医)」「Hausärztliche niedergelassene Fachärzte für Innere Medizin(開業内科医)」「Fachärzte für Kinder- und Jugendmedizin(小児科医)」などが、それにあたるようです。特に、Fachärzte für Allgemeinmedizinが、いわゆるHausarztと以前から言われるものにあたるとのことでした。

ここでまた、Fachärzte für Allgemeinmedizinというものが分かりません。「一般医学医」といわれても、ピンと来ませんし。それで、これまた、WikipediaのAllgemeinmedizinの項目を調べてみます。

すると、一覧として、「Fachärzte für Allgemeinmedizin」にて、良く診察される20の項目といったものが挙げられていました。そこには「Uncharakteristisches Fieber(特徴のない熱)」「Arterielle Hypertonie(高血圧)」「Myalgie(筋肉痛)」「Kreuzschmerz(腰痛)」「Husten(咳)」などいったものが挙げられており、私の苦しんでいる腰痛も、そこには含まれています。

ということで、今回の私のような場合、Fachärzte für Allgemeinmedizinを訪れてみれば、何とかなりそうだというのが分かりました。

さて、ここまでは、自分で調べて分かったことなのですが、出来るならば、評判の良いHausarztを見つけたいところです。しかし、それは調べたぐらいではなかなか分かりません。それで、そのことに関しては、周りの人に色々聞いてみることにします。

すると、ここでまた困ったことが。というのも、私が意見を求めた、日本人、ドイツ人を問わず、たいていの人が、「Fachärzte für Orthopädie(整形外科医)に行くのが良いのでは。」とアドヴァイスをくださったのでした。「Hausarztを通して、専門医を紹介してもらえるのは理想だけれど、(私の場合は)Hausarztがいないし、今回は腰痛だと分かっているのだから、いきなりFachärzte für Orthopädieへ行っても大丈夫。」、とのような判断の人が多かったのです。

ということで、いわゆるHausarztを捜すのは、いったん隅に置き、まずはFachärzte für Orthopädieを探すことに。しかし、これまた、どこのどのような整形外科医を訪ねたらよいのかが分かりません。それで、職場のオーナーや、お世話になっている弁護士Lさんに話をすると、いくつかMünchen(ミュンヘン)中心部にある、評判の良いFachärzte für Orthopädieを紹介してくださいました。そして、それらFachärzte für Orthopädieに、予約を取り付けるべく、電話をしてみます。

しかし、おふたりから話を伺っていたように、それらFachärzte für Orthopädieは、評判が良いので、すぐには予約が取れません。中には、「今空いているのは、2月になります。」というところも。これは極端な例ですが、早いところでも、3週間後ぐらいに、ようやく、予約が取れるといった感じでした。

しかし、今痛いのに、今後3週間も痛みを我慢するというのは、結構つらいこと。色々聞いた話によると、急患を断ることは出来ないようになっているので、予約なしでも、診てくれる場合もあるらしいのです。ただし、その場合は、待合室で、何時間も待たされることは、ざらのようです。私の場合、座っているのがつらいのに、何時間も待たされるというのは避けたいところ。

これまた、話に寄れば、München中心部よりは、郊外へ行くほど、予約は取りやすくなるとです。したがって、München中心部の、評判の良いFachärzte für Orthopädieで予約を取ることは諦め、まずは自宅近くで、Fachärzte für Orthopädieを捜すことにします。私の自宅は、München中心部からは、電車で10分ほどの、やや外れたところにあるのです。

評判などは、もう気にしないことにして、インターネットで調べることの出来る、職業別電話帳で、自宅近くにあるFachärzte für Orthopädieへと、手当たり次第に電話して、予約を取ってみることにしてみます。しかし、それでもなかなか予約はすぐには取れません。電話をすること4件目にして、ようやく、来週の火曜日に予約が取れるというFachärzte für Orthopädieがありました。火曜日は本来ならば仕事ですが、ここは仕方ありません。仕事を休むことにして、火曜日に予約を入れてもらいました。

ということで、ようやく予約が取れたのです。予約は、来週の火曜日の、10時50分から。私のドイツ語が、うまく医者に通じるのかどうかよく分かりませんが、また医者の話すことを、私がどれくらい理解できるのかよく分かりませんが、とにかく、診察を受けてこようと思います。ひどくなければよいのですが。

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