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▲Orthopädische Gemeinschaftspraxis / Farid Raufi und Dr. med. M. Hübscher▲
▲Google マップより▲

私が、腰痛に苦しんでいるということは、先日のエントリーにてお伝えしました。それから、4日を経た現在でも、その痛みは治まりません。今日は、その腰痛を診察してもらうため、予約をしたFacharzt für Orthopädie(Orthopäde/整形外科医)へと行ってきました。

予約が取れたOrthopädeは、自宅近くにあります。本当は、職場のオーナーや、弁護士Lさんに紹介してもらった、職場に近い、München(ミュンヘン)の中心部にある、評判の良いOrthopädeに診てもらえたら良かったのですが、紹介してもらったOrthopädeは、いずれも予約が取れず、その希望は叶いませんでした。しかしながら、今回予約の取れたOrthopädeは、自宅から徒歩圏内です。ということで、私にとっては、悪くはない条件でした。そもそも、今は、評判が良いとか、立地条件が良いということより、すぐにでも診察してくれることの方が、私にとって大事である以上、希望がとか、条件がどうのこうのと、言っている余裕はないのです。

さて、私にとって、今回がドイツで医者に行く、初めての経験(歯科医は経験有り)となります。ということで、どういったところかも想像がつかないため、少し緊張しながら、Orthopädeへと向かいました。

予約したOrthopädeは、ドイツの一般的な開業医らしく、住居も入居しているような建物の、一室にありました。目立った看板もなかったため、若干迷ってしまいます。それでも、予約した時間の、15分前には、既に到着してしまいました。

Orthopädeの入り口のドアを開けると、正面すぐに受付があり、女性が1人座っています。

私「こんにちは。○○と申します。今日、10時50分から予約をしてあるのですが。」

女性「少々お待ちください。○○様ですね。確かに予約がされています。それでは、まず、連絡先の電話番号を、お教えいただけますでしょうか。」

私「××です。」

女性「ありがとうございます。さて、今日は保険を利用されますか。」

ドイツで、私のような外国人が、滞在許可を得ようとするならば、必ず、保険に加入することが義務づけられています。そして、その保険には、大まかに分けて、Gesetzliche Krankenversicherung(公的疾病保険)とPrivate Krankenversicherung(私的疾病保険)の2種類があるのです。私は、日本で言うところの国民健康保険にあたる、Gesetzliche Krankenversicherungのひとつで、Allgemeine Ortskrankenkasse(AOK)というものに加入しています。ということで、AOKからもらった保険証(形・大きさとも、一般的なクレジット・カードと同等)を提示しました。

私「あっ、はい。これが、私の保険証です。」

女性「ありがとうございます。ちょっと、拝見します。」

以前、歯科医で診察・治療してもらった経験がありますが、その際には、Private Krankenversicherungでした。したがって、Gesetzliche Krankenversicherungで診察してもらうのは初めてになります。それで、そのことも勝手が分からず、ドキドキしていました。

女性「はい、それでは保険証をお返しします。Praxisgebühr(外来診療費)が10Euroかかりますが、よろしいですか。それともÜberweisung(※後述)をお持ちでしょうか。」

私「あっ、いえ、Überweisungは持っていません。なので、Praxisgebührを払います。えっと、今すぐですか。それとも帰りに。」

女性「今、お支払いください。」

私「あっ、分かりました。」

ドイツでは、以前、外来診療のみの患者に対しては、金銭的負担がなかったらしいです。もちろん、外来診療のみが対象ですから、入院や手術、移送や薬剤に対しては負担があります。しかし、外来診療に金銭的負担がないということで、ちょっとした病気や怪我で、人びとがすぐに医者に診てもらうようになっていたため、Gesetzliche Krankenversicherungの財政を、かなり圧迫していました。

それで、その財源への負担を減らすために、外来患者に、医療費の一部を負担させる法律が出来ます。Gesetz zur Modernisierung der gesetzlichen Krankenversicherung(公的医療保険近代化法)というもので、2004年1月1日に施行されました。そして、その法律により、外来患者は、Quartal(四半期/ドイツの場合、1月〜3月、4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月とQuartalが分けられている)ごとに、最初に医者にかかる際、10EuroのPraxisgebührを支払わなくてはならなくなります。

例えば、今日10EuroのPraxisgebührを支払った私ですが、1月にまた診察を受けると、10EuroのPraxisgebührを支払わなければなりません。しかし、その後、1月〜3月の間、同じ医者のところで診察を受けるのであれば、Praxisgebührを支払う必要はありません。あくまでも、Quartalにおいて、最初の診察の際に、Praxisgebührを支払う義務があるのです。

もし、同じQuartal内において、別の医者の所に行く必要がある場合は、Überweisungと呼ばれる、紹介状のようなものを書いてもらう必要があります。これがないと、同じQuartalであっても、Praxisgebührを支払う必要が生じます。また、このÜberweisungがあっても、Zahnärzte(歯科医)に行く際には、同じQuartalに、Praxisgebührを既に支払ったとしても、もう一度、支払う義務があります。

ちなみに、このPraxisgebühr、支払いの対象となっているのは、Gesetzliche Krankenversicherungに加入している人びとで、Privatpatienten(主に、Private Krankenversicherungの加入者)と呼ばれる人たちや、公務員のように、別の疾病保険に加入できる人たちには、支払い義務はありません。あくまでも、Gesetzliche Krankenversicherungの財源を守るためのものですから。

さて、Praxisgebührを支払った私は、支払い証明書を受付でもらい、待合室で、待つように命ぜられます。待合室は、日本の待合室と同じで、TVがあったり、雑誌が置いてありました。

そして待つこと、数分、受付の人に呼ばれ、受付に行くと、診察室へ入って待つようにと言われます。そして、その数分後、医師が入ってきました。話が通じるだろうか、話が理解できるだろうかと、緊張はピークに達します。

医師「こんにちは。○○です。さて、今日は、どうなされましたか。」

私「ここ、3週間ほど腰痛が続いています。子供の頃、腰の骨を折ったことがあり、寒かったり、雨が降っていたりすると、これまでも腰が痛いことがありました。しかしながら、それは、たいていの場合、数日で収まるのですが、今度の痛みは既に3週間続いています。それで、一度診察してもらいたいと思いました。」

医師「なるほど、ちょっと立ってみてください。そして、服をめくって、腰を見せてください。どの辺りが痛いですか。」

私は、言われたとおり、腰を見せ、痛む箇所を指し示します。

医師「このように押さえると、痛いですか。」

私「いいえ、今日は痛くありません。ただ、押さえると痛いときもあります。」

医師「ちょっと、前屈みになってください。これは痛いですか。」

私「いいえ、痛くありません。」

医師「痛いのは腰だけですかね。脚に、痛みとかしびれみたいなものはありませんか。」

私「それはありません。痛いのは、腰だけです。」

医師「腰の骨を折ったと言いますが、どのようにして折れたのですか。どの骨が折れたとかわかりますか。この図で説明してもらえますか。」

私「当時の医者には、成長時に過度の運動を行ったため、腰の骨を疲労骨折していると診断されました。折れたのは、この部分です。」

医師「なるほど。で、その後、寒い日などには、痛むときがあるけれど、今回みたいに長引いたことはなかったと。」

私「はい、そうです。」

医師「腰の骨のレントゲンは、いつ撮りましたか。」

私「その骨折をしていたときに、撮って以来、撮っていません。」

医師「それじゃあ、腰のレントゲンを撮ってみましょう。」

私「あのぅ、それって、費用がかかるものなのでしょうか。」

医師「いいえ、あなたはAOKの保険に加入されているので、保険会社が負担してくれます。それでは、部屋を出て、左のレントゲン室へ向かってください。そして、そこで、指示を仰いでください。」

ということで、医師に言われたように、レントゲン室へ向かおうとします。が、受付の女性が、待合室で少し待つようにとのことだったので、その通り、待合室へと向かいます。

その、待合室で、腰を下ろそうかと言うときには、すでに私の名前が呼ばれました。ということで、席にも着かず、呼ばれた人の所へ行き、レントゲン室へ入ります。

技師「じゃあ、ズボンとシャツを全部脱いで、この台の上に横たわってください。」

ということで、言われたとおりにします。

技師「脚を曲げてください。そして、このままで待っていてくださいね。私が息を止めてくださいと言ったら、止めてください。」

台に寝転んだ状態で、1枚、レントゲンを撮られます。そして、この後、次は立った状態で、側面から、腰のレントゲンを撮られました。

技師「終わりました。それでは、また待合室で、次の指示があるまでお待ちください。」

レントゲン撮影後、待合室に戻ろうとすると、受付の女性が、診察室で待つようにとのことだったので、そのようにします。しばらくして、その女性が、私のレントゲン写真をもってきて、それを見るための台にセットしていきました。さらに数分後、先ほどの医師が現れ、まず私のレントゲン写真をじっくり観察します。

医師「ちょっと、こちらへ来てください。これが、あなたの背骨です。あなたの言われた骨折箇所は、特に問題ないです。きれいにくっついています。それから、他に骨折しているところも、見あたりません。」

「ひょっとして、ヒビでも入っているのだろうか。」と思っていた私は、ちょっと一安心です。

医師「ただし、ここをよく見てください。このBandscheibeに問題があります。」

と、ここで、医師が述べたBandscheibeという意味が分からなかったのですが、背骨と背骨の間を指していたので、椎間板であろうことは、想像がつきました。ただし、念のために、Bandscheibeについて、説明を求めると、やっぱり椎間板について説明されたので、想像通りだと分かります。

医師「背骨と背骨の間が、狭くなっていて、神経を圧迫していますね。」

私「ヘルニアということですか。」

医師「いや、今はそこまでひどくないです。今後、そうなる可能性はありますが。今は、痛み止めの薬を飲んでいますか。」

私「いいえ、飲んでいません。」

医師「それでは、鎮痛剤の処方箋を出しておきましょう。帰りに、受付でもらってください。それから、注射をしておきます。それで、しばらくは痛みが和らぐでしょう。それと、この体操を毎日行ってください。痛いときは、やらなくても良いです。これらで、しばらく様子を見ましょう。重いものを持ったり、長時間同じ姿勢でいることは避けてくださいね。年明け、もう一度診察に来てください。その時の様子で、その後、リハビリにいってもらうとかを、決めることにします。」

私「どうもありがとうございました。」

ということで、診察は終わり、受付に向かいます。

私「あのぅ、診察が終わりました。」

女性「終わりましたか。」

私「はい、終わりました。」

女性「では、お帰りいただいて結構ですよ。」

私「あのぅ、支払いなどはないのですか。」

女性「Praxisgebührは支払っていただいたので、もう、支払っていただくものはありません。」

と、そのとき、先ほど診断してくれた医師の「その患者さんには、処方箋が必要だよ。」との声が聞こえます。

女性「処方箋が必要みたいですね。それを出しますので、しばらくお待ちください。」

そういって、受付の女性は処方箋を作ってくれました。

女性「はい、これがあなたの処方箋です。これをもって、どこでも良いので薬局に行ってください。恐らく5Euroほど必要となるとは思いますが、薬を処方してくれます。」

私「ありがとうございます。分かりました。」

女性「次の予約は、1月7日以降、また電話か来院して取ってください。それでは、お大事に。さようなら。」

私「あっ、はい。さようなら。」

といった感じで、私のドイツでの医者デビュー(!?)は、なんとか無事に終わりました。

一番の心配は、医師とのコミュニケーションでしたが、何とか話していることは理解できましたね。恐らくの話なのですが、私を今日診察してくださった医師は、ドイツ人ではない様に思いました。顔立ちや言葉、そして、部屋に飾られているものから察するにですが。しかし、もしそうだとすると、これが私には良かったのだと思います。

私のドイツ語は、ネイティブではないので、とてもひどく、ドイツ人が、そのようには表現しないような表現を利用したりすることは多々あります。したがって、外国人の話すドイツ語に、なれていないネイティブだと、聞き返されたり、意図を聞かれたりすることは良くあります。

しかし、今日の医師は、ドイツ語が外国語だからでしょう、一度も私の言ったドイツ語に対して、聞き返したり質問したりすることはありませんでした。そして、ゆっくりと丁寧に、しかも、安易なドイツ語で教えてくれます。医師も、少なくとも、私のようなドイツ語レベルの時代があったので、私のつたないドイツ語でも、すぐに意図がくみ取れたのではないかと思いました。

あっ、医師の名誉のために記しますが、もちろん、ドイツで医者をやっているぐらいの人ですから、今、その医師の話すドイツ語は、とてもきれいなものだったのは、言うまでもありません。

まあ、とにかく、医師が述べるには、私の腰痛は「劇的に悪いわけではない」とのことで、一安心です。次の診察までは、言われたことを守って、生活したいと思います。徐々に、回復していくと良いのですが。

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