たかばたけかしょうたいしょうろまんかんめーるまがじんだいさんじゅうろっかい


大きな地図で見る
▲高畠華宵大正ロマン館▲
▲Google マップより▲

「もう、紹介するのは止めるのですか。」などという声が、四国の北西部辺りから聞こえてきそうなのですが、「いいえ、止めません。」と、自信を持って答えておきましょう。・・・が、しかしながら、そう言われても、返す言葉もないほど、長い間放置しておりました。

ということで、いつものように、愛媛県東温市にある、高畠華宵大正ロマン館から届いた、メール・マガジンの第36号を紹介したいと思います。

ちなみに、これ、昨年の12月19日に配信されたものです。そして、もうすでに、今年最初のメール・マガジンも、とっくに到着しております(この号の紹介は、次回のエントリーで行います。)・・・すみません。

さて、高畠華宵大正ロマン館メール・マガジン第36号では、現在、同館で行われている、展覧会についての案内がなされています。紹介されている展覧会は、「男たちの大正ロマン展〜おじさまのための大正ロマン講座」(2008年12月15日〜2009年3月31日予定)というもの。このメール・マガジンが届いた頃には、この展覧会も始まったばかりであったのに、私の紹介が遅れたばかりに、もうすでに、展覧会も折り返し地点を迎えていますね。

まるで、日本のTVのワイドショーに見られる、ひとつのコーナーのようなタイトルの展覧会ですが、内容はどうなのでしょうか。

「大正ロマン」という響きには、どこか女性的な香りが漂います。・・・中略・・・では男性は「大正ロマン的感性」を理解できないのでしょうか?そんなことはないはずです。・・・中略・・・今回の展覧会は、男性(特におじさま・ジェントルマン・ムッシュゥと呼ばれる方々)に、「大正ロマン」の世界を身近に感じて頂きたく、企画しました。・・・中略・・・「大正ロマン」の世界には、豊かな想像力(空想力)を育み、しなやかな感性を培うためのヒントがたくさんちりばめられています。こうした心の栄養分は、男性・女性に関係なく、人間として生きて行く上で、とても重要かつ必要な美的感覚なのです。

というように、この展覧会の構想は、至ってまじめです(当たり前ですが。)。

この展覧会において、男性を主たる対象にしたのは、やはり、男性の来館者が少ないのでしょう。近年、日本において、「大正ロマン」に対しての関心が、高くなってきているとは言え、それは、女性を中心にしたものであることは、客観的に見ていれば、すぐに分かることです。今回の展覧会では、それを変えていきたい、という高畠華宵大正ロマン館の考えが、あるのだと思います。「大正ロマンを多くの人に知ってもらいたい。大正ロマンに関心を持つ人の裾野を広げたい。」、そう常々意識していると思われる、高畠華宵大正ロマン館の意図に沿ったものですね。

具体的には、どういった内容の展覧会であるのかは、メール・マガジンには記されていません。しかしながら、高畠華宵大正ロマン館のウェブ・サイトには、この展覧会の、詳しい展示内容が説明されていました。

(第1展示室)大正ロマンの時代と高畠華宵
・「大正ロマン」とよばれる風潮を生み出した時代はどのような時代だったのかを、当時の写真や年表を通して紹介します。
・ 「大正ロマン」を代表する画家高畠華宵の作品を通して、時代の感性や雰囲気を感じて頂きます。

最初の部屋は、「大正ロマン」へのイントロダクションとなっているようです。とくに、「大正ロマン」を生み出した時代背景へのアプローチが、様々な資料を通じて行われるようで、そのなかには、もちろん、高畠華宵の作品も含まれています。

(第2展示室)少年の大正ロマン
・大正時代の少年たちは、どのような日常を過し、何を思って成長していったのでしょうか?当時の少年雑誌から見受けられる、大正少年の生活やロマンチシズムを紹介します。
・ 華宵をはじめ、伊藤彦造、山口将吉郎など、当時の少年に人気のあった画家たちの作品を展示します。

続いての第2展示室では、「少年の大正ロマン」というテーマが掲げられています。私が、今回の展覧会で、最も興味の有りそうなのは、この展示室の展示ではないかと思いました。

私にとって、「大正ロマン=少女」ぐらいの偏見があるのですが、当然ながら、当時少年もいたわけですから、大正ロマンと少年が結びつくような事例は、いくらでも挙げられると思います。そのことに焦点を当てたこの展示、なかなか見応えがあるのではないでしょうか。

(第3展示室)大正ロマンの魔性・愛とエロスと貞操と…
・「大正ロマン」の感性が現代の人々の心を捉えるのは、華やかなイメージに付きまとう一抹の暗鬱さゆえではないでしょうか。「大正ロマン」の世界には、常に「光と影」「理想と現実」「生と死」などの相反する要素が入り混じっています。モダニズムの光が強ければ強いほど、その影もまた濃く深く浸透するのです。華宵人気の理由の一つに、少年少女たちがこの「影」の部分の魅力を敏感に感じ取っていたことも考えられますが、それはまた大正時代の愛やエロスの在り方そのものだったと言えます。
・ ここでは大正ロマンの独特の感性を、“愛”と“エロス”をテーマに紹介します。「貞操問題」「Sエスの友愛」「美少年」「異国趣味」など、華宵作品を媒介として広がるイマジネーションの世界は、現代の男性に何かの示唆を与えてくれるかも知れません。

最後の展示室のテーマは、「大正ロマンの魔性・愛とエロスと貞操と…」。私自身は、この説明を読んで、ピンとくるところもあれば、ピンと来ないところもありました。がしかし、この説明書きの長さを見てもらえれば、前の2つの部屋と、力の入れようの差は歴然。恐らく、この展覧会で、1番力が入っているところなのではないでしょうか。

この展覧会、先にも引用しましたが、男性を主たる対象として企画されたものです。その中でも、「特におじさま・ジェントルマン・ムッシュゥと呼ばれる方々」が対象となっているみたいです。したがって、私のように男性でありながらも、「おじさま」ではなく、単なる「おっさん」の場合は、対象から外れています。世の中、厳しいのは景気だけではないようです。

我こそは、「おじさまである!」と思われる方、私の代わりに、ぜひぜひ、展覧会を見てきてくださればと思います。

さて、話題はここで変わりますが、今回のメール・マガジンでは、「高畠華宵生誕120年特別展 幻の原画新発見! 華宵・夢二と『少女の國』のさしえ画家たち」(2008年9月13日〜12月7日)という展覧会に関連して行われたイベント、「大正の少女文化講座 大正ロマンごっこ 少女の茶話会」の、最終レポートが掲載されています。

前回でのレポートでは、大正時代の少女雑誌の投稿欄を読んで、その時代の少女の気持ちを知るという試みがなされたことが記されていました。今回はその続きで、そこでつかんだ、大正時代の少女の気持ちになって、手紙を作成するということが行われたようです。

大正少女のお手紙の特徴(お手紙の相手を「〜様」と呼ぶ、手紙のトーンは悲しいもの、などなど)をしっかりふまえて書き上げたお手紙は、どれも大正少女たちが書いたものと見まがう程のものばかり!

参加者たちは、当時の少女の気持ちになりきっておられたようで、なかなかの力作が生み出されたとのこと。気になる内容の方は明らかにされていませんが、今年発行される予定の、『大正ロマン』のなかに、力作のうちのいくつかが掲載されるようです。

今回、大正時代の少女になりきって、手紙を書くという際に、利用されたのが、「華宵便箋」だったとのことと。

華宵は、「華宵便箋」という今で言うところのキャラクターグッズを出していました。華宵がデザインした便箋と封筒のセットです。この華宵便箋は初版25万部をを(※原文ママ)売り上げたという大人気商品!

当時の便箋といえば、今でいう、携帯電話みたいなものでしょうか。コミュニケーション・ツールとしては欠かせないもの。そういったイメージです。そして、少女たちは、出来るだけ良い便箋を追い求めた結果、華宵の便箋に突き当たったのでしょう。携帯電話を、次から次へと機種変更していく、現代の若い人たちと、大正時代の少女たち、どこか似てますね。それにしても、便箋が25万部売れるというのはすごいです。

プログラムはこれで終了です。最初は緊張の面持ちで参加された皆さんも、最後には少女っぽい素敵な笑顔になっていました!

ほのぼのとした雰囲気が感じ取られます。きっと素敵なプログラムだったのでしょう。

次のエントリーでは、高畠華宵大正ロマン館メール・マガジンの第37号を紹介します。

Similar Posts:

Comments are closed.