でぃぷろーむあうすしゅてるんぐ

image00752.jpg
▲Mamiko Takayanagi, Sigh of the Summer (2009)▲
▲Oil on canvas, 90cm x 60cm▲

仕事が休みだった今日は、先日のエントリーでお知らせした、Takayanagi Mamiko(高柳麻美子)さんの展覧会を見に、Akademie der Bildenden Künste München(ミュンヘン芸術アカデミー)へと、足を運んできました。今回の展覧会は、Takayanagi Mamikoさんの、Diplomausstellungです。

今現在、ドイツの大学に入学する学生が、どのような学位を取れるか、はっきりとした知識がないのですが、少し前の学生なら、最初に取得出来る学位として、DiplomかMagisterがありました。どちらも、日本で言えば、修士号にあたるようなものです。私の知識が正しければ、Diplomは主に自然科学系を学んだ学生が、Magisterは主に人文科学系を学んだ学生が、取得出来ていたように思います。もう少し正確に言えば、主専攻だけで得られるのがDiplomで、副専攻を必要とするのがMagisterであったと記憶しています。

ということで、今回の展覧会は、Takayanagi Mamikoさんが、絵画制作の分野において、Diplomという学位を得るために必要な作品が、展示されているものです。日本の大学で言うところの、卒業論文や、卒業制作にあたるのではないでしょうか。

image00753.jpg
▲Diplomausstellung 2009 der Klasse vom Prof. Jerry Zeniuk▲

会場風景の写真です。Akademie der Bildenden Künste München本館を入り、正面のエレベーターを利用し、2階(日本式3階)へあがり、すぐの所にある、とても立地の良いところでした。聞くところに寄れば、そこは、Takayanagi Mamikoさんのアトリエとして、普段利用されているところだということです。随分と、良い場所を、アトリエとして、あてがわれていたものですね。

このアトリエ、本来は、写真にみえる、右側の壁に入り口があり、そこから出入りできるようになっています。しかし、今回の展覧会では、それとは別の入り口、つまり、私が立って撮影している位置にある扉が、入り口として使われていました。こちらの扉は、また、別のアトリエへとつながっています。

その入り口から入って、ぱっと見えるのが、上の写真の風景です。このエントリーの、一番最初に掲げた画像の作品も見えるかと思います。私は、アトリエに入ったとき、この絵がぱっと目に飛び込んできました。恐らく、Takayanagi Mamikoさんの、お気に入りの作品のうちのひとつかと思われます。

作品自体には、力があり、良い作品だと思いました。が、ひとつ、気になることが。それは、作品の展示位置です。

展覧会の会場において、特にこのアトリエのように、入り口がひとつに定められていて、入ったときに、正面にメインとなる壁があるようなときには、通常、一番人目を惹かせたい作品を、入り口正面に位置するように持ってくると思います。

が、写真を見てもらって、お分かりのように、ややずれていました。恐らく、正面の壁に、4つの作品を並べたいがために、均等に配置したのでしょうが、かえってそれが展覧会に出品されている作品の印象を、弱めてしまった感があります。作品自体が良いものだけに、もったいないと思ったのは、私だけではないはずです。これからもまだ、ご自身で作品を展示することはあるかと思いますが、作品の見せ方を工夫する余地はあると思いました。

などと、辛口な意見で始まりましたが、この展覧会を見て、問題だなと思ったのはその部分だけです。その問題も、本来は、芸術家が気にするようなことではなく、キュレーターが気にすることです。なので、Takayanagi Mamikoさんが売れてくれば、キュレーターがある程度やってくれることですから、それほど気にすることでもないのですが。

image00754.jpg
▲Diplomausstellung 2009 der Klasse vom Prof. Jerry Zeniuk▲

今回の展覧会、私は13時過ぎに出かけました。Takayanagi Mamikoさんが、14時から、討論会(口頭試問みたいなもの?)が始まると言っておられたため、それが始まる前に作品を見て、討論会が始まったら、帰ろうと思っていたのです。

がしかし、実際に行ってみると、なぜだか、討論会は始まっていました。その時の様子が、写真のもの。中央左に見えるのが、Takayanagi Mamikoさんの師事する、Jerry Zeniuk教授で、その右側に、足を組んで座っておられるのが、Takayanagi Mamikoさんです。手前に見えるのは、ほとんどが、Jerry Zeniuk教授のクラスの人たちだと思います。

討論会では、Jerry Zeniuk教授が、Takayanagi Mamikoさんに、作品について、色々と質問を投げかけていました。時には、周りで聞いている人たちにも、質問をされます。中には、自主的に発言をされる方もおられました。

Takayanagi Mamikoさんは、途中、私が来たことに気がついたようで、バツが悪そうでしたから、邪魔をしないように、あまり討論会の話は聞いていません。私が聞いていたときには、色と形についての話になっており、冒頭の作品の上部に見られる、赤い色面の形についての議論がなされていました。

Jerry Zeniuk教授の話のなかには、厳しい意見も見られます。しかし、私は彼の話しぶりやその内容を聞いていると、Jerry Zeniuk教授が、Takayanagi Mamikoさんについて、高く評価している様子を感じ取ることが出来ました。討論会の最後に、Jerry Zeniuk教授が、Takayanagi Mamikoさんに向かって、「(卒業後も)たまには、ここに来るんだよな。」とおっしゃります。その言葉を聞いて、私はそう思いました。

実際のところ、Takayanagi Mamikoさんの作品は、Jerry Zeniuk教授からだけでなく、様々なところで高い評価を受けています。この春からは、ドイツのとある町から住居なども含めた奨学金を得て、1年間その町に滞在し、製作を続ける予定です。

また、春にはBonn(ボン)にて、展覧会が行われるとのこと。お近くにお住まいの方は、出かけられてみても良いかも。詳細が分かったら、またこのブログでも、紹介したいと思います。

image00755.jpg
▲Mamiko Takayanagi, Early winter (2008)▲
▲Oil on canvas, 51.5cm x 30cm▲

image00756.jpg
▲Mamiko Takayanagi, Summer day (2009)▲
▲Oil on canvas, 60cm x 50cm▲

image00757.jpg
▲Mamiko Takayanagi, cold winter (2008)▲
▲Oil on canvas, 60cm x 50cm▲

image00758.jpg
▲Mamiko Takayanagi, Light of June (2009)▲
▲Oil on canvas, 80cm x 66cm▲

image00759.jpg
▲Mamiko Takayanagi, Spring wave (2008)▲
▲Oil on canvas, 73cm x 77cm▲


大きな地図で見る
▲Akademie der Bildenden Künste München▲
▲Google マップより▲

Similar Posts:

Comments are closed.