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妻の知人が、空き巣の被害に遭ったみたいです。なんでも、帰宅すると、玄関のドアが開いていて、室内に入ると、物色されたあとがあり、調べてみると、現金などが盗難に遭っていたとのこと。その方は、現在も、空き巣被害のショックから、立ち直れないみたいです。
ただ、被害に遭われた方には申し訳ないですが、その方の話を、妻経由で聞いてみると、「それでは、空き巣に入られても仕方ない。」という状況だと、私は思いました。というのも、「オート・ロック」の玄関ドアを閉めたけれども、「鍵はかけていなかった」というのですから。
「オート・ロックのドアなのに、鍵をかける必要があるのか。」と思われた方がいるかもしれません。しかしながら、ドイツの玄関ドアのオート・ロックは、鍵をかける必要があるのです。
ドイツに住んでいる、私の周りの日本人の話を聞いていると、玄関ドアの「オート・ロック」の仕組みについて、勘違いされている人が多くいます。妻も、そのうちのひとりでした。
ということで、今日は、ドイツの住居の、オート・ロックの仕組みについての話題を。
私も住んでいるような、ドイツの一般的な集合住宅は、自分の住居に入るまでの間、必ず2カ所にオート・ロックが設けられています。ひとつは、集合住宅の入り口となる、共同のドアのところ。そして、もうひとつは、個人の住居への入り口となる、玄関のドアのところです。
集合住宅入り口のドアに設置されているオート・ロックは、日本のマンションの入り口ドアに設置されているオート・ロックと、同じ仕組みです。
入居者は鍵を持っているので、それで共同ドアのロックを解除して中に入れますが、入居者以外の訪問者は、建物内に入るためにはまず、訪問したい人のところの呼び鈴を、押さなければなりません。すると、押された側の室内に設置されているベルが鳴ります。ベルを押された側は、まずインターホンで対応して、その結果、招き入れることにするのなら、ドア・ロックを解除するボタンを押すことに。そうすると、共同ドアのロックが解除され、訪問者は建物内に入ることが出来るのです。
日本のマンションの入り口のところに設置されているオート・ロックと比べ、設備の質は落ちることが多いですが、ドイツのほとんどの集合住宅には、共同入り口のドアに、このオート・ロックが設置されています。
住居の玄関ドアのオート・ロックは、ホテルの部屋のドアに付いているオート・ロックと、同じようなものです。鍵を持たずに、部屋の外に出て、扉を閉めてしまうと、ドアを開けることは出来ません。
と、このように、2つのオート・ロック・システムが、ドイツの集合住宅には、一般的に取り付けられています。
さて、そのドイツの集合住宅に取り付けられているオート・ロックですが、私の周りの日本人からは、この「オート・ロック」という和製英語の響きに、だまされている(?)、と思われる人の話を、耳にすることが多いです。
よく聞くのは、「玄関ドアはオート・ロックだから、鍵をかけないで出かける。」という話でしょう。ここでいう、鍵をかけないというのは、その言葉のまま、ドア用の鍵を、ドアの鍵穴に差し込み、どちらかに回すことによって、施錠する行為を行わないということです。
私は、この話を聞いて、いつも「怖いなぁ。」と思います。なぜなら、先に挙げたような人は、「オート・ロック=鍵をかけた」と思っていますが、実はそうでないことは、ドイツの玄関ドアの鍵の仕組みを考えてみれば、直ぐに分かることですから。
確かに、鍵を持たずに住居の外に出て、玄関ドアを閉めると、鍵を使わずには、外から玄関ドアを開けることは出来ません。しかしながらこれは、鍵がかかっているから、玄関ドアが開けられないのではないのです。
ドアを開けるためには、通常、ドアノブを回し、ラッチ(ドアノブを回すと、出たり入ったりする、ドアの縁に付いている、三角形のもの)をドア内に収納する必要があります。しかし、ドイツの玄関ドアには、部屋の外側に、このラッチを引っ込めるためのドアノブが、付いていません。。したがって、例え玄関ドアに鍵をかけていなくとも、ラッチを収納させる方法が無いために、ドアを開けることが出来ないようになっています。
これが、ドイツの玄関ドアのに設置されている、「オート・ロック」の仕組みです。決して、ドアを閉めたことで、言葉の響きのように、自動的に鍵がかかったわけではありません。ただ単に、玄関ドアの外側に、ラッチをドア内に収容させるためのもの(ドアノブなど)が無いがために、玄関ドアを開けることが出来ないだけの話なのです。
ちなみに、ドアの鍵を持っている場合は、鍵を鍵穴へ差し込み、通常は、左(もしくは右)へ2回回すと解錠され、さらにそのまま左(もしくは右)へ回すとラッチが収納されて、そのままドアを押すなり引くなりすると、ドアが開く仕組みになっています。
また、玄関ドアに鍵をかけていなくとも、外側から、玄関ドアを開けるためには、鍵が必要です。先ほど述べたように、玄関ドアの外側には、ドアノブがありませんから。鍵を鍵穴に差し込み、左右のいずれかに回すと、ラッチがドア内に収納され、玄関ドアを開けることが出来ます。
つまり、外から玄関ドアを開ける場合は、鍵が鍵兼ドアノブの役割を果たすことに。
さて、先ほども述べましたが、ドイツの玄関ドアには、外側に、ラッチを収納させるドアノブが付いていません。したがって、まるで鍵が自動的にかかる、「オート・ロック」のような状態になっているだけなのです。正確には、扉を閉めただけでは、鍵がかかっているわけではなく、外側からは簡単に、ラッチをドアに収納させる方法がないという状態でしかありません。しかし、これが、「オート・ロック=鍵をかけた」と勘違いさせる、原因になっているのでしょう。
本来は、玄関ドアの外側の、ドア・ノブが設置されてあるべき場所に、ドイツでは、金属プレートのようなもので、覆いがされています。金属プレートによっては、回すことの出来ない取っ手が付いているものも。いずれにせよ、ラッチを外からの行為で収納させるには、上で述べたように、普通は鍵が必要となります。
この、金属プレート、当然ながら、外側からはねじ止めされておらず、一見、簡単に外れなさそうですが、クレジット・カード(のようなもの)とバールがあれば、割と簡単に外せるみたいです。というのも、鍵を持たずに外に出てしまった人が、鍵屋さんを呼ぶと、人によっては、鍵穴に全く触れず、この金属プレートを外して、ドアを開けてくれる人がいます。これにかかる作業時間は、長くても、数分だそうです。
この金属プレート、外すと、外側にもドアノブを取り付けられるように、シャフトがあります。したがって、金属プレートを外し、そのシャフトを回せば、鍵はかかっていないのですから、普通にドアを開けるように、そのドアを開けることは可能です。
ということで、ドイツで空き巣に入られる場合、大抵、「オート・ロック」だと思って、鍵をかけていない人が、この金属プレートをこじ開けられて、中に入られるケースが多いようです。
ちなみに、鍵をかけていれば、例え金属プレートをこじ開けたからといって、簡単には中には入れません。さらに、解錠する作業が必要となりますから。
どうでしょうか。「ドイツの玄関ドアの『オート・ロック』は、鍵をかける必要がある。」という理由を述べてきたのですが、お分かりいただけましたでしょうか。今回は、写真が無く、文字のみでの説明となったため、分かりづらいところも多々あったかもしれませんね。
ちなみに、ドイツの玄関ドア、「オート・ロック」だといって、鍵を閉めず、扉だけ閉めて出かけ、冒頭の方のように空き巣に入られても、保険はおりません。保険が適用されるためには、「鍵がかけられていた。」ということが、確認されなければならないのです。つまり、「オート・ロック=鍵をかけた」と、保険会社には、とらえられないということですね。このことからも、ドイツの玄関ドアの「オート・ロック」は、オート・ロックではないということの、ひとつの例になるのではないでしょうか。
それから、ドイツの玄関ドア、内側からロックをかける際にも、鍵が必要な場合があります。私の家の玄関ドアも、ロックのためには鍵が必要です。
また、内側から鍵穴に、鍵を奥まで差し込んでおくと、外側の鍵穴に、合い鍵を入れたとしても、解錠することは出来ません。したがって、室内にいるときにも、セキュリティを重視するのであれば、鍵穴に鍵を差し込んでおくことをお勧めします。
私はこのことに、妻と一緒に暮らしだして、初めて気がつきました。
妻が出かけている間、玄関ドアの鍵を閉めて、鍵を差し込んでいたのですが、帰宅した妻が鍵を開けようとしたところ、開かなかったのです。丁度その時、私はシャワーを浴びていたので、妻が玄関ドアをノックしたり、郵便受けから叫んだりしていたのですが、私はそのことに全く気がつかず、妻は10分ぐらい、玄関先で足止めを食らっていたということがあります。
今日は、ドイツの玄関ドアの「オート・ロック」について記しました。このエントリーを記したことで、空き巣などの被害に遭う方が、1人でも減るとうれしいのですが。
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