つーるどふらんすにせんきゅうだいじゅうごすてーじ

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▲Le Tour de France▲
▲www.letour.frより▲

妻には予定があったのですが、私には、先週に引き続き、何の予定もない日曜日。したがって、ひとり、どこかへと、出かけようかとも思いました。しかし、今日はそれほど天気が良くはなかったのです。ということで、これまた先週の日曜日に引き続いて、家に引きこもり、Le Tour de France(ツール・ド・フランス)を、TVにて、観戦することにしました。

私が今日、TV観戦したのは、先週の日曜日から6ステージ進んだ、第15ステージです。この第15ステージは、Pontarlier(ポンタルリエ)〜Verbier(ヴェルビエ)までの、 207.5kmに及ぶコースでした。Verbierは、フランスではなく、スイスの都市みたいですね。

先週の日曜日に、第9ステージを観戦したときは、3日間にわたる、Les Pyrénées(ピレネー山脈)超えの山岳ステージ、最終日でした。そして、今日見た第15ステージは、これまた同じく山岳ステージだったのです。しかしながら、越える山が先週とは異なっています。今日の第15ステージで越えた山は、Alpes(アルプス山脈)でした。今日から3日間は、このAlpesを舞台とした、山岳ステージが続くとのことです。

今日のステージの概要を見てみると、最初に3級の峠が4つ続き、その後、2級の峠を1つ登って、最後に1級の峠を登ったら、そこがゴールというようになっていました。今年のTour de Franceで、山岳ゴールとなるのは、今日で2度目ということで、山岳ステージが好きな私にとっては、丁度良い日に、TV観戦が出来たみたいですね。

さて、今日の第15ステージで、私が注目していたのは次の2人の選手。Lance Edward Armstrong(ランス・エドワード・アームストロング)とAlberto Contador Velasco(アルベルト・コンタドール・べラスコ)です。この2人は、ASTANA Cycling Team(アスタナ)というチームに所属する、チームメイトになります。

以前にも述べたことがありますが、Armstrongは、このTour de Franceの最多優勝記録(7回)と、最多連続優勝記録(7回連続)を所持している、Tour de France史上のみならず、ロード・レース史上に名を残す名選手です。

そのArmstrong、7回目の優勝(2005年)を最後に、自転車ロード・レース界から引退をしました。したがって、その後4年ほどのブランクがあって、今回、現役に復帰したのですが、ここまでの成績を見ると、総合でも3位前後を常にキープしており、優勝も狙えるのではと思われているほどです。

そのArmstrongの、輝かしい過去の栄光に、負けないほどの実績を持っているのが、まだ26歳のContador。彼は、Tour de France 2007の優勝者(昨年は、チームの問題から不参加)であり、また、Giro d’Italia 2008(ジロ・デ・イタリア)とVuelta a España 2008(ブエルタ・ア・エスパーニャ)の優勝者でもあります。つまり、彼は、世界3大自転車ロード・レースと呼ばれるものを、全て勝っているのです。そして、それを成し遂げているのは、歴史上5名しかいません。これは、Armstrongでも、成し遂げていないことなのです。

Armstrong引退以降、自転車ロード・レース界で、最も実力があり、そして最も安定した成績を収めていたのは、Contadorであることは、まず間違いありません。そしてまた彼も、今回のTour de Franceでは、総合成績争いの上位に位置しています。

ここまで読まれた方は、「同じチーム内に、総合優勝を狙える選手が、2人もいるなんて、良いこと。」と思われたかもしれません。まあ、確かに、そうとも言えるのですが、逆にも言えて、同じチーム内に、総合優勝を狙える選手が複数いるのは、問題があったりもします。

というのも、このTour de Franceは、個人レースではなく、チーム・レースだからです。1チームは、9名の選手からなるのですが、チームの目的は、1人のエースを、Tour de Franceの総合優勝者とさせること。そのため、残り8名の選手は、その目的が達成できるよう、あらゆる状況で、チームのエースを助けるために、レースに参加しています。

したがって、チーム内に総合優勝出来る可能性がある人が、複数人いたとしても、エース以外の人は、結局最終的には、総合優勝を諦めて、エースを勝たせるための、サポートに回らなければならなくなるのです。

そして、このASTANA Cycling Teamのエースは、Armstrongではなく、Contador。したがってArmstrongと言えども、Contadorによほどのことがない限りは、常に彼をサポートする役が与えられています。また、状況によっては、総合優勝を諦めなければならないことも、今後出てくるでしょう。

しかしながら、先ほども記したように、Armstrongは今大会、好調です。したがって、「復活優勝」の文字も見えてきていますし、私を含め、多くのロード・レース・ファンは、どこかでそれを期待していると思います。

しかし、これまた先ほども記したように、彼は、Contadorを支えなければなりません。もちろんArmstrongも、自分の役割を分かってはいると思います。ただ、「どこかでチャンスがあれば、総合優勝を。」、とも考えてはいるでしょう。胸中、かなりの葛藤があると思われます。

一方のContadorも、一昨年のTour de Franceの勝者であるとはいえ、Tour de Franceにおける実績だけで言えば、Armstrongには遠く及びません。しかも、Armstrongは復帰したばかりとは思えないように、今大会好調です。したがって、チームのエースとして、Contadorは、下手な走りを見せることは出来ません。それは、即、エース失格の烙印を押されることになるのですから。これはこれで、優勝争いとはまた別のプレッシャーになって、彼の肩にのしかかっているでしょう。

というような背景がふたりにはあるので、私はこのふたりの争いに注目して、今日の第15ステージを観戦していました。大会も、終盤にさしかかる山岳ステージは、これまでの長旅の疲れもあり、実力のない人はどんどんとふるい落とされていくのが常。したがって、これから3日続く山岳ステージの両者の勝敗で、チーム内での確固たる、エースの位置が定まるのではと、考えていたからです。

結果、Armstrongは、今日のステージで9位に入り、総合順位も前日までの4位から、頂点は目の前の、総合2位まで浮上しました。この結果だけを見るならば、Armstrongにとって、今日のステージは、良い出来であったかのように見えるでしょう。

しかし、そうではありませんでした。というのも、今日のこの山岳ステージの勝者が、Contadorだったからです。彼はその結果、総合順位でも1位に躍り出ました。

今日のレースでは、残り6km〜5kmぐらいまでは、両者競り合っていたのです。しかし、その後、Contadorがかけたスパートに、Armstrongがついて行けず、ゴールしたときには、90秒ほどの差が付いてしまいました。山岳ステージに於いて、この距離で、これだけの時間差が付くということは、どちらかの力が、よほど上回っていなければ、ありえないことです。

実際、TVを通して走りを見ていても、淡々と走るArmstrongに対して、Contadorはスイスイと、羽が付いたように坂道を駆け上っていきましたから。Contadorは、よほど調子が良いのでしょう。

ということで、今日のステージで、チーム内のエース決着も、そして今年のTour de Franceのエース争いも、なんだか結果が見えてきたような気がします。

が、ただ、そこは百戦錬磨のArmstrongです。この先のことを考えて、無理をしなかった可能性はあります。

ASTANA Cycling Teamの監督は、名将という名にふさわしいJohan Bruyneel(ヨハン・ブリュイネール)という人物なのですが、このBruyneelとArmstrongのコンビで、Tour de Franceを7回制しているのです。そして、Bruyneelは、目先の勝利(ステージ優勝)より、最終的に勝利者(総合優勝)となることだけを見据えて、レースを進めていく人物として知られています。ステージ優勝を5回して、総合優勝を逃すよりも、1度もステージ優勝をしなくとも、総合優勝できれば良い。そういった作戦を、徹底して取るのが、Bruyneelという人物です。

したがって、その教えで、これまで何度となくTour de Franceを制してきたArmstrongですから、今日はあえてContadorを勝たせたという気もします。

今日のステージを見る限り、残りのステージも、ContadorとArmstrong、このふたりを中心に動いていきそうです。次回、観戦予定は、明後日、火曜日。楽しみに待ちたいと思います。

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▲Le Tour de France 2009 – ÉTAPE 15▲
▲www.letour.frより▲

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▲Le Tour de France 2009▲
▲www.letour.frより▲

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