きょうしゅうびより

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▲Münchner Verkehrsgesellschaft mbH▲
▲de.wikipedia.orgより▲

自宅がある建物の、2軒隣りにある建物の地上階(日本式1階)に、「Fahrschule」という看板を掲げたお店があります。これ、何のお店かというと、日本語で言うところの、「自動車教習所」にあたるものです。

自動車教習所のことを、お店というのは、何だか違和感があります。しかし、ドイツの自動車教習所は、日本の自動車教習所のように、大きな建物と広い敷地を持っていて、そこで学科と技能を教えるというところはありません(たぶん)。個人が、店舗(せいぜい50㎡ぐらい)のように教習所を構え、そこで学科を教え、技能はいきなり路上で、というところが普通です。したがって、自動車教習所といえども、見た目は、「お店」と言っても良いような感じになっています。

さて、そのように、Fahrschuleが近所にあるので、路上をゆっくりゆっくり、見ているこちらが不安になりそうな感じで走っている教習車を、頻繁に見かけます。

そして、そのような教習車には、屋根の上に、タクシーのように、これまた「Fahschule」と記された、看板(?)が乗せられているのが普通(教習中でなさそうなときは外されていることも)です。辞書で調べたわけではありませんが、Fahrschuleには、恐らく「教習中」の意味もあるのではないでしょうか。

その「Fahrschule」という看板の掲げられた「車」、今日も見ました。が、それは、いつもよく見かける、自動車という意味での車ではありません。私が今日見た教習中の車は、車は車ですが、路面電車(ドイツ語でTramあるいはStraßenbahn/トラム)でした。

美術館に行く用事があったので、今日は自宅の最寄り駅から、Münchner Verkehrsgesellschaft mbH(MVG)の運行するTramに乗ろうとしたのです。それで、停留所でTramを待っていると、時刻通りに、1台のTramがやってきて、停留所に停まります。もちろん、私や、その他に待っていた人も、そのTramに乗りこもうとしました。が、ドアを開けるボタンを押しても開きません。で、その時、Tramのスピーカから案内が。

Tram「Eine Fahrschule. Nicht einsteigen bitte!(教習中です。乗りこまないで下さい!)」

それで、そのTramをよく見てみると、行き先案内の所に「Fahrschule」と記されているではないですか。自動車あるいは二輪車免許取得のための教習車以外に、「Fahrschule」と掲げている「車」を見たのは、私にとって、これが初めてでした。

ということがあったので、驚いたのですが、よく考えてみれば、驚くことでもないですよね。自動車免許を取得するために、自動車を利用して技能の練習が必要なように、その他の乗り物(タクシー、バス、クレーン、電車等々)も、その免許を取得するためには、その乗り物を利用して技能の練習をするのは当然のことですから。ただ私は、これまで、「教習中」と書かれた乗り物は、自動車か二輪車しか見たことなかったので、驚いたのでした。

とはいえ、例えばTramの免許を取得するために、Tramで練習する必要があるとしても、普通は、正規のTramの運行に、支障がない時間帯に行うものだと思います。深夜や早朝、それが無理なら、毎時0分と30分にTramが出る停留所ならば、その間に教習を実施すれば良いのです。もしそうでなければ、正規の運行に、支障を来す場合もあるでしょうし。

しかしながら、先ほど述べたように、「Fahrschule」と掲げたTramは、通常のTramがやってくる時間にやってきました。そりゃ、私も含め、他の人たちも、自分たちが乗ろうと思っていたTramがやってきたと勘違いして、乗りこもうとしますよ。

しかも、その教習中のTram、その直後に、正規に運行しているTramがやってきたにも関わらず、何故だか数分停留所に留まったままです。正規運行中のTramの運転手が、何度もクラクションを鳴らしているにも関わらず。

おかげで、私たちが乗ろうと思っていたTramは、遅れて停留所に到着することに。もちろん、予定より、数分遅れで停留所を出発しました。

さて、その教習中のTramですが、その停留所だけでなく、その先々の停留所でも、その後に続く、私の乗った正規運行のTramの進行を妨げます。

Tramの停留所というのは、いくつかの大きな停留所が例外としてありますが、大抵は1編成分のTramだけが停まれるほどの大きさです。したがって、停留所に1編成のTramが停車していると、次に来たTramは、停留所から外れたところで待たなければなりません。

私が今日乗りこんだ停留所も、そのようなものでした。もっとも、幸いなことに、停留所を外れたところで待たなければならないとしても、そこはTram専用のレーンになっているので、自動車ななど通行を妨げることにはなりません。

しかし、その後に続く、2つの停留所は、交差点を越えて直ぐのところにあります。つまり、停留所を外れて待つということは、交差点の真ん中に停車するということです。したがって、そのような状態になってしまうと、自動車など通行の妨げになります。そして、2つの停留所とも、その状態になってしまいました。

私たちの乗ったTramは、自動車の往来を邪魔しているため、クラクションを鳴らされ、そして、私たちの乗ったTramは、教習中のTramにクラクションを鳴らします。が、しかし、マイペースな教習中のTramは、その後ろの様子など、知ったことではないとばかりに、意味もなく(もしかしてあるのかも)停留所に1分〜2分停車していました。

それら停留所に続く3つ目の停留所は、停留所を外れても、そこは専用レーンのため、自動車などの交通の妨げにはなりません。ということで、その時を幸いとばかりに、私の乗っていたTramの運転手は、教習中のTramがその停留所に停まったときに、Tramを降り、相も変わらず、後ろのことを気にしないで、停留所に停まっているTramの方に駆け寄って、何かを伝えていました。

すると、その教習中のTram、すぐさま動き出し、そして、私たちが進む方向とは、別の方向に進んでいきます。

Tramの運転手は、帰ってきて、運転席に乗りこむ前に、

Tram運転手「迷惑なTramでしたね。練習するなら、Tramが運行されていないときに、すれば良いのに、わざわざ、運行時間に合わせて練習するなんて。」

と、私が最初思ったようなことを、彼も思ったようで、そう口にしていました。

また、

Tram運転手「Tramの運転は、U-Bahn(地下鉄)の運転と違って、常に、車や歩行者など、周りの状況を見ながら行わなければならないのに。それにも関わらず、練習だとは言えども、後ろで何が起こっているか、全く分かっていない。危ないよ。」

とも。

「全く、その通りだ!」と私も思いましたし、他の乗客も、「その通り。」と口にしていました。

割と若い男性が、Tramの教習を受けていたようですが、このTramの運転手が言うように、実際に運行を任されるようになるときには、周りの状況を判断して、臨機応変に対応できるような運転手になっていることを願います。

今日は、都合4回Tramに乗りました。そして、そのうち、上の出来事も合わせ、3回も「Fahrschule」と書かれたTramを見ました。初めて見た教習中のTramでしたが、その日のうちに、あと2回も見るとは思いませんでしたね。今日はそういった、特別の日だったのでしょうか。

ちなみに後に2回見た、教習中のTramは、ちゃんと正規の運行を邪魔することなく、運行時間の合間に走っていました。

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