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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

数日前、帰宅すると、ポストの中にチラシが入っていました。捨てるか持って帰るかを判断するため、ちらりとそのチラシを見てみると、「15. Giesinger Bahnhofsfest(第15回ギージング駅祭り)」の文字が。どうやら、私がいつも利用している、自宅近くの鉄道駅で、祭りが開催されるようです。それに興味をひかれたので、そのチラシは、自宅に持って帰ることにしました。

そのチラシを持ち帰り、読んでみると、Giesinger Bahnhofsfestが開催されるのは、2009年9月13日11時〜19時。つまり今日です。ということで、今日は午前中、その祭りに、出かけてきたのでした。

このGiesinger Bahnhofsfest、先ほども記したように、鉄道駅での祭りです。しかし、正確に記すと、皆さんがすぐに想像されるような、鉄道が停まる駅での祭りではありません。その鉄道駅(名前はGiesinger Bahnhof)に接する駅前広場に、「Giesinger Bahnhof(ギージング駅/以後括弧付き)」という建物があり、その建物で行われる祭りなのです。なんだかややこしいですね。

その「Giesing Bahnhof」ですが、同名の鉄道駅に由来して、そう名付けられたわけではありません。むしろ、その建物自体が、その名前の由来になっています。

どういうことかといえば、今は鉄道駅として使われていない、かつての古い駅舎を、再利用して使われているのが、その「Giesinger Bahnhof」なのです。そういう意味で、このGiesinger Bahnhofsfest、「(元)鉄道駅」でのお祭りと言えるでしょう。

その、「Giesing Bahnhof」、現在は、Kulturzentrum Giesinger Bahnhof(文化センター・ギージング駅)と呼ばれる、その地域の文化センターとして利用されています。建物内には、小劇場があり、月に何度か、演劇や音楽などのプログラムが行われているようです。

さて、その「Giesing Bahnhof」にて行われる祭りでは、その時間中、いろいろな催しが行われると、持ち帰ったチラシに書かれていたのですが、私はそのうちの、あるプログラムに興味が引かれました。そのプログラムとは、建築家によって行われる、旧駅舎に関するガイダンスです。旧駅舎内を、建築家の案内(無料)で見学できるとあっては、参加しないわけにはいきません。当然、参加してきました。

その建築家によるガイダンスは、Giesinger Bahnhofsfestの開始と時を同じくしてはじまります。受付などは特になく、旧駅舎の入り口前に建築家が登場し、「さあ、これからガイダンスを始めます。」といった感じでスタートしました。ざっと見た感じ、ガイダンスの参加者は、40名ぐらいでしょうか。

その場で建築家は、現在行われている、駅前再開発の話題について、5分ほど話されました。そして、その後、いよいよ、ガイダンスのスタートです。「Giesing Bahnhof」に入っていきます。以前から、その中に、入ってみたいなと思っていただけに、胸がどきどきしていました。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

最初に通されたのが、この空間。Gepäckhalleと呼ばれるこのフロアは、小劇場として、利用されている場所です。

小さくて見えにくいかもしれませんが、写真の中央、柱の奥にホワイトボードが見えるともいます。そこに、この旧駅舎に関する資料が、いろいろ展示されており、それを参照しながら、建築家によるそのガイダンスが進められました。

この旧駅舎、歴史は古く、1898年に建てられたものだとのこと。München Ost(ミュンヘン東駅)から、Deisenhofen(ダイゼンホーフェン駅)に通じる、Deutsche Bahn(ドイツ鉄道)の新しい路線が開通した際、その中間駅として、「Giesing Bahnhof」の歴史は始まります。

もっとも、その当時、この旧駅舎のある場所は、Giesing(ギージング)と呼ばれる、München(ミュンヘン)の一地区には、含まれていなかったようです。つまり、当時の「Giesing Bahnhof」は、その地区の中心ではなく、外れに位置していたということになります。現在のように、このあたりが、Giesingという地区の中心となったのは、割と最近のことで、Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei(NSDAP/国家社会主義ドイツ労働者党)が台頭してきた1920年代後半、Deutsches Reich(ドイツ国)の時期に、住宅地として、このあたりが開発されたころだったようです。

その「Giesing Bahnhof」に変化が訪れたのは、1972年のこと。それまでのDeutsche Bahnのローカル線に取って代わり、この路線に、S-Bahn(Sバーン/都市内・都市近郊鉄道)が走るようになったのです。ちょうど、この年、ここMünchenでは、オリンピックが開催されましたが、それに併せて、都市内の交通整備の一環として、S-Bahn網がMünchenに整備されたのでした。

S-Bahn開通と時を同じくして、この「Giesing Bahnhof」、その役目を終えます。それで、Deutsche Bahn側は、この「Giesing Bahnhof」を取り壊す予定でした。しかし、地元住民の間に、この建物を、文化財として残そうという動きが広まります。

その動きが活発化したのが、1983年のこと。それから、何度も繰り返された、粘り強い交渉の結果、1985年、この「Giesing Bahnhof」は、文化財として保存されることが決まります。

しかし、ここはドイツ、すぐにことは進まず、1999年、ようやくMünchenは、Deutsche Bahnから、この旧駅舎を得ることに。そして、それと同時に、Kulturzentrumとして利用できるよう、修復、改築が進められていきました。

それからまた時は過ぎ、5年後の2004年3月5日、「Giesing Bahnhof」が、その駅舎としての役割を終えて、実に30年が過ぎた後、ようやく、地元住民の念願通り、「Giesing Bahnhof」はKulturzentrum Giesinger Bahnhofとして生まれ変わったのでした。

と、ここまで記したような、「Giesing Bahnhof」の歴史を、ガイダンスの冒頭、Gepäckhalleにて建築家から伺いました。

その話が終わったので、次はいよいよ、建築家と旧駅舎内を回りながら、「ここはこうで、あそこはどうで。」などという話が、これから聞けるのかと思いきや、それで建築家によるガイダンスは終わり。後は、個人で自由に内部を見学してくださいとのこと。「えっ、終わり?」、とあっけにとられてしまいました。

しかし、終わったものは仕方ありません。無料のガイダンスですから、文句も言えないですし、あきらめて、自分ひとりで回ることに。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

ここは、先ほど掲げた、Gepäckhalleの写真の右奥に見える部屋、Südpavillionと呼ばれる建物の地上階(日本式1階)にある、Kurt-Mahler-Saalの様子。会議室でしょうか。左側の窓の外は、待避線や貨物線として使われている線路の、ホームがあります。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

このSüdpavillionには、1階(日本式2階)があり、そこに上ることが出来ました。ここは、そのSüdpavillionの階段、1階部分です。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

そこから、後ろに下がって撮影したものが、この写真。現在、再開発中の、駅前広場の完成予想模型などが置かれていました。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

このSüdpavillionの1階部分は、この写真のような、小さな会議室が、いくつかあるだけです。地上階の会議室、Kurt-Mahler-Saalとは異なり、これら小会議室には、特に名前はつけられていませんでした。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

こちらは、再び地上階の様子。最初に紹介した、Gepäckhalleの隣にある、カフェです。

超広角レンズで撮影していますので、画面の端々がゆがんでいます。しかし、照明がゆがんでいるのは、レンズのせいではありません。もともと、そのような形なのです。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

そのカフェの写真の、右側に見える窓の外は、このように、ガラス張りのテラス席になっています。そのすぐ外は、待避線や貨物線のホーム。そして、その向こうには、S-Bahnのホームも見ることが可能です。

と、このようにひとり、「Giesing Bahnhof」をウロウロしてみましたが、建築家が、一緒にこれら部屋を見て回らなかった理由も、何となくわかった気がしました。建設当時のまま、内部も保存されているならまだしも、このように、内部が改装されている現在、一緒に回ってみたところで、「ここは、昔、このように使われていたところ。」ぐらいの話しか、出てこないような気がしますし。

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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲

で、最後になりましたが、これが、Kulturzentrum Giesinger Bahnhofの全景。駅前広場側から見たようです。

右側の建物が、Südpavillionと呼ばれているもの。その反対側の、Nordpavillionは、今回、解放されていませんでした。そして、真ん中の建物の、右半分がGepäckhalle、左半分がカフェになります。

建築家による、「Giesing Bahnhof」のガイダンス、もう少し、建物の構造などについて、話を聞けるのかと思いきや、どちらかといえば、歴史を中心とした話でした。だったら、別段、建築家が話をするまでもなかったのでは、などと思いもしますが、知らなかった知識を得られたことも確かです。まあ、文句を言わず、良しとしましょう。

ところで、Giesinger Bahnhofsfestの中心となっているのは、この写真の場所なのですが、思ったより、地味でしたね。特別にテラス席が設けられ、生バンドの演奏がある以外は、特に目立った催しもありませんでしたし。ただ、私は、正午過ぎには帰りましたが、午後から、もしかすると、何らかのイベントがあったのかも知れません。

それにしても、このGiesinger Bahnhofsfest、今回で15回目を迎えるみたいですが、Giesingに住んで、3年目にして、初めてそれが行われていると知りました。そして、結局、何を祝っている祭りなのか、良くわかりませんでしたね。不思議な祭りです。


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▲Kulturzentrum Giesinger Bahnhof▲
▲Google マップより▲

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